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[Y☆voice73]日本高校選抜DF土師直大(滝川二)「声出すだけじゃなく、それに見合ったプレーをしないといけない」

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 高校年代の注目選手にその時どきの課題や目標について聞く連載企画「Youth star voice」。第73回(11年日本高校選抜編第7回)は滝川二高(兵庫)DF土師直大選手です。
 圧倒的な攻撃力で全国制覇を成し遂げた滝川二ですが、一方で3試合連続完封を成し遂げるなど、守備陣の健闘も光りました。その最終ラインの中核を務めていたのが土師選手。新チームのはじめは控え選手だったという土師選手がどのようにして日本一のCBになったのか注目です。

―高校3年間を振り返って
「1年目は3年生がベスト8までいったけれど、(鹿児島城西の)大迫クン(現鹿島)にやられたのもあって『全国はヤバイな』と思っいました。その時は全国をスゴク意識していたんですけど、2年の時は県大会で負けて『県で勝つのは難しい』ということも実感できたし、両方を知っていたから3年になって全国のレベルは高いし、県で勝つことは難しいということを生かせたと思う。監督の方針もあるんですけど、滝二では3年間、自分らのやりたいようにできた。自分たちのやりたいことが明確にあったからと思うんですけど、しっかりチームでやりたいことをまとまってやっていた。あまり監督に頼りすぎるといざというときに何もできないので、それはみんなと話しながらやっていたし、最後良い結果につながったと思う。(選手権で)自分らよりも強いチームはいっぱいあったと思う。流経(流通経済大柏)とやったら絶対に勝てなかった。だから自分らには運もあったし、1年の時からいろいろな経験させてもらって、夏休みに関東遠征とか行かせてもらって、そこで早い段階で全国のレベルに触れられたことも良かったと思う」

―選手権での自身のプレーを振り返ると
「自分だけの力ではないけれど、決勝で3点取られた以外は1とかゼロ。最初の2試合で失点した後、そこからゼロで3試合行けた。前が早い段階で取ってくれるんで後は守るだけだった。チームとしてどう守るか指示するのは自分の仕事でしたし、(自分の)左は基本的に2年やから自分は引っ張ってやろうという意識があって、単純に声出すだけじゃなくて、声出しながらそれに見合ったプレーもしなければいけないと思っていた。口だけになるのは信頼もされないし、自分がやってから言わないと素直に後輩も聞いてくれないですから」

―自分で周囲を認めさせなければいけなかった
「1年の時はトップとかにもあげてもらって、県大会とかでもプレーしてトップが身近なところにあった。でも2年の時は1回も入れなくてメンバーから外されて、新チームでも最初の方の試合は全然出られなかった。結構、きつかったんですけど、もっと努力しようと思ったし、自分が出ない試合はずっと見てたんで、チームがここから強くなるためには何が足りないんやろうといいうことを考えながら見てたし、そこで腐らなかったのも自分としてはよかった。結果的に最初からあそこで試合に出ていたら満足してしまっていたと思う」

―高校選抜に入るようなDFが意外ですね
「シーズン最初はずっとベンチでFWとかさせられていました。最初はめっちゃ悔しくて。どうやったら出れるか考えて単純に試合出てる奴らよりも練習したし、残って練習もしたし、早く来て練習もした。目の前の敵に負けないように。いくら全国を意識しても自分が試合に出られなかったら意味がない。チームの中で出ないと。見える敵というのは少し変かもしれないですけど、それ意識して、自分に足りないものを伸ばすこともそうですけど、自分がチームに貢献できることもある。それを強く出していって目立とうとやっていた」

―大学でも成長できる確信があるのでは?
「最初から出れるようなレベルのところではやりたくないということがあるんですけれど、(進学する)明治もレベル高いし、強い。もちろん最初から出られればいいですけど、出たら満足しちゃうと思う。あそこは守れるだけじゃダメやし。それもあるから自分が成長するためには攻撃にもちゃんと携わっていかないとダメなんでレベルの高い明治を選んだ」

―4年後の目標はプロ
「最終的にサッカーやる限りは、みんな口に出すか出さないかでみんなプロ目指してやっていると思う。明治のような強い集団の中で試合に出ないとプロとか言ってられない。いかに足りないところを伸ばすかで将来も変わってくる。今の軸をブラすつもりはないけど、足りないものは伸ばしていかないと。プロになってボール回せないとかではダメ。なってからのことを考えたい。今は大学のことだけ考えてますけど」

―高校選抜については
「高校選抜もみんなも上手いですけど、だからどうとかじゃなくて、自分が出来ることと言ったら声やライン合わせたり、自分が守りやすいように周りを動かしたりすること。そこを変えてしまうと自分が出せなくなる。自分の持っているものを出して、それを認めてもらえばみんな自分のことを信頼してくれると思う。とにかくみんなに比べたらヘタというのもあるんですけど、それ以上に目立てるようにということは選考合宿の時から意識していた。後ろから声かければみんな聞いてくれるんで、そういう意味ではリーダーになっていけたら。即席のチームだから自分が声出してコミュニケーションを取っていかないといけないと考えています」

(取材・文 吉田太郎)
連載:
「Youth star voice」

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