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[Y☆voice83]日本高校選抜DF増田繁人(流通経済大柏)「本当に流経でプレーできてよかった」

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 高校年代の注目選手にその時どきの課題や目標について聞く連載企画「Youth star voice」。第83回(11年日本高校選抜編第17回)はDF増田繁人選手(流通経済大柏高)です。
 全日本ユース選手権8強、全国高校選手権4強と全国制覇こそ成し遂げることができなかったものの、試合で見せる圧巻のパフォーマンスによって「高校勢最強」の評価を得ていた流通経済大柏。そのチームリーダーは189cmの長身を生かしたヘッドとボールへの執着心、そして何よりタレント軍団を厳しく鼓舞し続ける姿勢で異彩を放っていました。高校年代を代表するタレントはアルビレックス新潟に加入したJリーグでのプレー、そして高校3年間についてどのように考えているのか?(取材日:3月5日)

―高校3年間を振り返って
「3年間振り返って、終わり方はあんな終わり方(足首の捻挫により欠場した高校選手権準決勝で敗退)だったんですけど、でも本当に素直に流経でプレーできて良かったなと思うし、あのメンバーとやれて良かったなと思えるのはうれしい。そういう風に思えたんで今は悔いも残っていないし、最後のあの終わり方は一生で一番後悔しましたけれど、3年間楽しかったですね」

―主将として、あのタレント軍団をまとめるのは大変だったと思うが
「とにかく我が強くて、とにかくすごく苦労して、自分自身が何をするよりも、チームをどうしようと3年間いつも考えていた感じがします。みんなが言いたいことをバンバン言うんで、本当にまとまらなかったんですけれど・・・・・・。特に自分は2年のときに1年間怪我をしていたじゃないですか。新チームでは全然自分としても体が動かないし、試合感もまったくない状態。それでもキャプテンだからというだけで動けていない状態でも使ってもらっていたんで、中には『何で増田が出てんだよ』と思っていた奴もいたと思うんですよ。その中でも出なきゃいけないし、申し訳ない感じなんですけれど、(周りの選手に)言わなければいけないし、というのがすごく嫌で。言える立場ではないのに、言わなければいけないというのがすごく嫌でしたけれど、本当に副主将の進藤と鈴木のふたりには本当に助けてもらったなと感じています。ふたりだけではないですけど、特に鈴木は常に相談して、どうしようと話して、本当に仲間に助けられたと思いますね。自分では本当にいいキャプテンだったのかなと思うことがありますよ。最後の最後まで迷惑かけたなとすごく思うんですけど、卒業式とかで『オマエがキャプテンでよかった』と言ってもらえたんで、それは本当にやってよかった、報われたなと思います」

―自分を認めさせて評価を高めさせたけれど変わった時期は?
「選手権の県予選からですかね。それまで自信がなかったというより、思い切りがなかった。でも、もっと長所のヘディングに自信をもって、飛び込んで思い切ってやろうと吹っ切れたときがあったんですよ。それを思って試合に臨んだら自分の中でもすごく躍動したというか動けたのを実感できて。それで自分としてもこうやればいいんだと自信がついたというか。それからすごくプレーが変わったかなと思います」

―プロ生活のスタートは少しアクシデントがあったが
「(心肺に負担をかけられないために)ずっとローパワーでやってきて、許可が出て2週間くらい上げて、それからすぐピッチに立って。一昨日(3日)から(新潟)練習に参加しています」

―高校選抜でも中心的な役割を担うと思われるが
「明確な目標というか、自分の力を出せる場所があるというのはすごくうれしいことだと思う。選ばれていない選手たちは所属チームの練習で自分をアピールするしかないけれど、自分は大会としてプレーを思い切りだせる場所がある。これはとても幸せなことだと思う。すごくいいタイミングで高校選抜があってくれたと思う」

―プロは1年目とか若いとか関係のない世界
「長所のヘディングと気持ちを出すというか鼓舞していきたい。16個上とかの先輩もいるじゃないですか、Jリーグには。そういう人にも指示を出していかないといけないと思うんですよ。積極的に自分の声を出していきたい。チームに合流してすぐは、周りがみんな速いんで、(頭の)回転が追いつかなかったんですけど、それでも出せるところは出したつもりなんで、そういうところはこれからも積極的に。声を出せれば気持ちも自然と乗ってくるし積極的なプレーができると思うのでやっていきたい」

(取材・文 吉田太郎)
連載:
「Youth star voice」

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