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[C☆voice_40]中京大FW藤牧祥吾「大学サッカー界の槙野から大学サッカー界のラウルへ」

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 大学サッカー界の注目選手にその時どきの課題や目標について聞く連載企画「College star voice」。第40回は中京大のFW藤牧祥吾(4年=清水ユース)です。1月に行われた全日本大学選手権では、ゴール後に見せるパフォーマンスもさることながら、ゴールを量産して準優勝の立役者として活躍。そこでの功績を認められ、3月に行われたデンソーチャンレンジ杯の全日本大学選抜にも招集されました。しかし、その後のドイツ遠征及びデンソーカップ日韓定期戦のメンバーからは落選し、苦汁を飲む形となってしまいました。その悔しさをバネに、4月に開幕した東海学生リーグでは、ここまで4試合を戦い、9ゴールを挙げると得点ランキング2位につけています。藤牧選手の大学サッカー最終年に懸ける思いと、今後の目標とは?

―東海リーグを4節まで終えてゴールを量産していますが調子は?
「絶好調ですよ!監督に5節までに10得点取らないと、また坊主にしろと言われて。でもそれは期待されている証拠なのでやってやろうかと思って。いい相手の時にガッツリ点を稼いでいます」

―なぜ突然、坊主に?
「今は伸びてきたんですけど。インカレの決勝戦が終わったときに、ゲキサカさんの取材でふざけて『坊主にします!』と言ってしまったことがゲキサカさんに載って(笑) これは全国のみんなに見られてしまったということで、すぐにインカレ後の練習が始まる前に坊主にしました」

―今季、チームとしての目標は?
「チームメイトの須崎(恭平)と一緒に今季の目標について1時間くらいトークしたんですよ。それで、今季の目標は『ACLに出場すること』に決まりました!」

―ACLに出場?
「つまりはACLに出るってことは、天皇杯で優勝すること。ACLは(引退した後の)次世代の奴らが出るんですけど、僕たちはACL出場を決めることを目標にしようと思って。去年よりもワンランクも、2ランクも上の目標を掲げることにしました。目標はやっぱり大きく持っていかないといけないので。J相手にも今年のチームは負けない。今年の中京大は去年よりも、一段も二段も上のチーム。選手層もかなり厚いです」

―個人としての目標はプロ入りということですが、ここまでの手応えは?
「全くないので、めっちゃ焦ってます。でもここで焦っても仕方がないので。1日1日を全力で戦って、勝って。ACLに出場するところまで行けば、必ず拾ってくれるチームがあると思う。ACLに行ければ、J入りも間違いないと思って頑張ります」

―プロ入りを目指す上でのアピールポイントは?
「僕は足が速いわけでないですし、身長も高いわけではない。技術もあるわけではないし、ドリブラーでもないんですよ。ただ僕は欧州CLを見ていて、パッと頭に浮かんだのが、『あっ俺ラウルと一緒や』って。ラウルは速いわけではないし、ヘディングが強いとか、テクニックとかドリブラーでもないですけど。一瞬の動き出しで、トラップで相手の前に入って、スッと(ゴールを)決める。守備でも一番前線までいきますし。そういう動きを見て、これからはラウルみたいな動きを学んでいこうかと思ってます。試合前はいつも準決勝のファーストレグとセカンドレグのシャルケの試合ばかりを見てますよ(笑)」

―ラウルには近づけそう?
「近づくことは無理ですけど。大学界のラウルと言われるように!大学界の槙野から大学界のラウルに変わっていこうかなと」

―“大学界の槙野”といえば、中京大はインカレでのゴールパフォーマンスが恒例でした。今季は?
「リーグ戦の場合は得失点を稼いでいかないといけないので、パフォーマンスなんかしていたら西ヶ谷監督にボコボコにされるので。あれは全国版です!でも今年は僕がやるよりも、1年生の若造たちが張り切ってるので、彼らがいいのを考えてくれるんじゃないかと思ってます。全国で見せれればいいと思ってます」

―最後に改めて、今後の自身の目標は?
「大学のゼミで難民について勉強したんですよ。ハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーは難民の支援活動を積極的に行っていて、芸能界で儲かったお金を全て難民のために捧げている。だから僕もサッカーをやって、難民の人たちのために活動をしていきたいなと。サッカーを頑張って、サッカー選手になって。将来引退したら、芸能人として芸能活動をしながら、難民のために役立てる人間になりたいと思っています」

[写真]全日本大学選抜の選手たちのサインが入ったシャツを手に笑顔

(取材・文 片岡涼)

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