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移籍後初めて古巣本拠地でプレーした李忠成「来年も来られたら成長した自分を見せたい」

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[7.13 J1第4節 柏3-1広島 柏]

 懐かしい風景、スタジアムの雰囲気、熱いサポーターの声、芝生の匂い……。すべてが、心地良く、また刺激となった。サンフレッチェ広島のFW李忠成が、2009年夏の移籍以来初めて、古巣の日立柏サッカー場に帰ってきた。試合前から気持ちは高ぶり、試合が終わってもその“興奮”は冷めなかった。

 試合前のメンバー紹介では、ブーイングとともに歓声や拍手も浴びた。「あえてブーイングをしない人3割、ブーイングする人5割、拍手の人2割ぐらいですかね、すごく嬉しかったです。気合入った? 今日は熱く行って当たり前です」。古巣サポーターに感謝するとともに、闘志がみなぎっていたことを明かした。

 今の自分があるのは、柏レイソルでの下積みがあるから。それだけに、この日を待ちわびていた。前日の自身のブログでは「六年半お世話になったレイソル。サッカーを辞めかけていた僕を拾ってくれたレイソル。なんだろぉなぁ、、感情MAXでぶち当たってくれて、歓声をもらったり、応援してくれたり、怒られたりもしたけど、そんなマジな気持ちが好きでたまらなかったし、そんなサポーター皆の気持ちに応えたい一心で走り続けて頑張ってたレイソル時代。そんな好きだったレイソルを離れて明日対戦相手として戦う。あの頃の僕とは違う李忠成を魅せたい」などと綴り、様々な思いを吐露していた。いわば、李にとっての“大一番”だったが、しかし結果は、悔しいものとなった。

 シュートは4本放ったが、無得点に終わった。後半20分には、MFミキッチの右クロスに李忠成が決定的なダイビングヘッドを繰り出したが、GK菅野孝憲のスーパーセーブに阻まれた。後半39分にも李忠成はチャンスでシュートを放ったが、決めきれなかった。結果1-3の完敗。「ヘディングは入ったと思いましたけど、結果的に入っていないので何かが足りなかった。相手の守備よりも、自分たちが決めるべきところで決められなかったところが勝敗を分けた」と李忠成は悔しさを口にした。

「自分たちも頑張りましたけど、今日は相手を褒めたいと思います。でも、柏も良いチームですけど、うちらも良いチームだということは今日確信しました。また来年も来られたら、成長した自分をこのスタジアムのサポーターに見せたい」。李忠成は新たな目標を口にし、会場を後にした。移籍はしても、心のふるさとは柏レイソルだと思っている。さらに飛躍し、古巣のサポーターにも認められるストライカーを目指す。

[写真]広島FW李

(取材・文 近藤安弘)

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