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[MOM452]東京VユースDF長田海人(3年)_闘争心溢れる“ゴールの番人”

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高円宮杯U-18サッカーリーグ2011 プレミアリーグ イースト
[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[7・16 高円宮杯プレミアリーグイースト第9節 三菱養和SCユース0-4東京Vユース 養和巣鴨]

 4-0の快勝。1得点2アシストのFW南秀仁ら攻撃陣がインパクトある活躍を見せる中、東京ヴェルディユース(東京)は同時に5月のF東京U-18戦以来5試合ぶりの完封勝利を成し遂げた。U-18日本代表の快足FW田鍋陵太ら得点力のある三菱養和SCユースを無失点に抑えた最大の功労者が名門の“ゴールの番人”CB長田海人だった。

 前半は背後に飛んでくる相手のロングボールを完ぺきにケア。世代屈指の身体能力を誇る田鍋は空中戦でも脅威だったが、172cmのやや小柄な身体をぶつけて決定的な仕事をさせない。特に球際で見せるボールの執着心は誰にも負けなかった。そして「田鍋については試合前から(CBコンビを組む)畠山と競り合いでどっちかいったらもう片方はカバーということを徹底していた。上手く守れていたし、きょうは脅威に感じなかった」と納得の勝利。やや安定感を欠いて失点の危機があったこと、また「後ろでボールを持てると思って持ちすぎて、そしてミスしてリズムを崩した」と反省も忘れなかったが、最終ラインから大声で名門の守りをコントロールするDFは、役割を果たしての勝利に心地よさそうだった。そのディフェンスリーダーについて、MF杉本竜士主将も「田鍋の足を警戒していたけれど、長田がよく守ってくれた。4点取ったけれど、守ってくれたことが大きかった」と快勝の要因に挙げていた。

 杉本や南というU-18世代を代表する攻撃タレントのような技術や武器はない。それでも長田は「泥臭くということばが正しいか分からないけれど、試合ではそういう選手が必要になってくる。自分は上手くないしその役割ができればいい」と気持ちの強さでチームを引っ張ってきた。主力に故障者が続出し、年代別日本代表組も不在だった今春の苦しい時期を無敗で乗り越えることができたのも彼の存在が大きかった。自らも股関節に負傷を抱えていたが「無理してもオレが」と試合に出続け、そして最終ラインからチームを鼓舞し続けた。

 昨年から出場機会を得てきた主力だが「練習から手を抜かないで一生懸命やらないと、上手くないんで試合に出られなくなる」と練習から常に100パーセント。「(大一番で)最後差になるのは気持ちだと思う。上手くても頑張らなくちゃゴールは取れない。気持ちは絶対に必要。だから自分は声を出し続ける」と誓う男がその闘争心と迫力ある守りでこれからもチームの力となり続ける。

(取材・文 吉田太郎)

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