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小林2発!憲剛ら主力4選手不在の川崎Fが2回戦へ。昨年準優勝の広島は敗退……

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[7.27 ナビスコ杯1回戦第2戦 川崎F3-1広島 等々力]

 ナビスコ杯1回戦の第2戦が27日に各地で行われ、等々力陸上競技場では川崎フロンターレと昨年準優勝のサンフレッチェ広島が対戦した。川崎FはMF中村憲剛ら主力4選手が欠場した中、FW小林悠が2得点を決める奮闘を見せて3-1で勝利。2戦合計5-3とし2回戦進出を決めた。昨年準優勝の広島はリベンジに燃えていたが、2000年3月を最後に、ここまで9試合連続で勝てていない“鬼門の等々力”でまた屈した。

 川崎Fは中村憲剛稲本潤一柴崎晃誠矢島卓郎の主力4選手が体調不良や怪我で欠場した。システムは4-4-2でGKは相澤貴志、DFラインは右から田中裕介、井川祐輔、菊地光将、小宮山尊信。ダブルボランチは田坂祐介と大島僚太が組み、2列目は右に山瀬功治、左に登里享平が入った。2トップはジュニーニョと小林悠が組んだ。

 対する広島は連戦を考慮して一部選手を入れ替えて“ベストコンディション布陣”を採用。システムは3-6-1でGKは西川周作、3バックは右から森脇良太、森崎和幸、横竹翔。ダブルボランチは青山敏弘と中島浩司が組み、右MFは石川大徳、左MFは服部公太が入った。トップ下には李忠成と高萩洋次郎が構え、1トップは佐藤寿人が務めた。

 広島のホームで行われた第1戦は2-2のドローで終わっており、両軍ともに勝てば2回戦進出が決まるというシンプルな状況。そんな中で開始10分、川崎Fが先制した。中央から右サイドをオーバーラップした田中裕介へつながり、田中がPA右付近からグラウンダーの強烈シュート。これはGK西川がパンチングしたが、こぼれ球を小林悠が右足で押し込んだ。広島側はオフサイドだと、監督やGK西川が抗議したが、ゴールインの判定。手負いの川崎Fが1-0リードを奪った。

 何としても、昨季のリベンジを果たすために2回戦に進出したい広島。石川と服部のサイドを活かしてボールを運んだが、この日の川崎Fはバイタルエリアでの守備が強固で、PA付近の崩しに苦労する。そんな中、前半29分に好機を迎える。中央で佐藤が粘り、PA左の服部へ。服部は狙い済まして中へ入れたが、走り込んだ李忠成には合わなかった。

 川崎Fはショートカウンターを多用するが、広島守備陣も集中を切らさずに対応した。そして前半39分、広島がエースの華麗なシュートで同点に追い付いた。左サイドからのパスをPA正面で佐藤寿人が後方の高萩洋次郎に落とし、高萩がリターンパス。佐藤はゴールに背を向けていたが華麗な反転で前を向いて突進し、左足を振り抜いてゴールネットに突き刺した。

 前半のロスタイム、川崎Fが2度の決定機を作った。46分、右サイドから田坂のアーリークロスに登里享平が飛び込み、左足のアウトでシュート。しかし、これはわずかに左に外れた。47分には左サイドで山瀬のスルーパスにジュニーニョが抜け出しPA内に突入。GKと1対1になるかと思われたが、森脇が必死に戻ってスライディングでブロックした。

 結局は前半を1-1で折り返し、この時点で2戦合計で3-3。しかし、アウェーゴール数が川崎Fが2、広島が1のため、このままのスコアだと川崎Fの2回戦進出となる。後半は共にメンバー変更なくスタートした。

 立ち上がりから、両軍ともにチャンスを作った。後半5分、川崎Fはゴール前左でパスを受けたジュニーニョがダイレクトで中へ。これに登里が抜け出してシュートを放ったが、GK西川の正面だった。広島が反撃。後半7分、服部の左からの低めのクロスに佐藤が抜け出し左足シュート。やや体勢が悪かったこともあり、わずかに左に外した。直後、佐藤が2度の決定機を作る。いずれも服部からのクロスをヘディングシュート。しかし、GK相澤の好セーブに阻まれてしまった。

 ピンチのあとにはチャンスあり-。その“格言”通り、川崎Fが勝ち越しゴールを奪った。後半9分、右サイド自陣で受けた登里享平がドリブル突進。約60mを独走し、PA内右で一度はDF森崎にスライディングでドリブルを阻まれたが、こぼれ球を拾って右足で押し込み2-1とした。

 広島は後半13分、青山に代えてMF森崎浩司を投入。さらにその2分後、服部に代えてMF山岸智を送り出し、何とか同点を目指した。しかし、川崎Fが突き放しに成功した。後半17分、中央で登里がPA内左にスルーパス。これに小林悠が走り込んで左足を一閃。ゴール左上に突き刺し、3-1とリードを広げた。

 これ以上、点差を付けられたくない広島は早くも最後の交代のカードを切った。後半19分、横竹に代えてMFミキッチを投入し、右MFに入れた。石川は右CBに下がった。対する川崎Fも同25分、ジュニーニョに代えてMF楠神順平を、登里に代えてFW久木野聡を投入した。

 何とかして追いつきたい広島。しかし終盤、試合が荒れた。後半34分、高萩が危険なスライディングを小宮山に繰り出し、警告が出された。ここで、これまでの判定にうっ憤が溜まっていたのかペトロヴィッチが激怒して主審に猛抗議。結果、退席処分を受けた。この一連の出来事に、珍しく佐藤寿人も激怒。ペットボトルを投げつけてしまい、イエロカードを受けた。

 広島は最後まで諦めずに必死の攻撃を見せるが、ゴールが遠い。広島は後半43分、左CKから高萩がヘディングシュートを放ったが、GK相澤の好セーブに阻まれた。川崎Fは同44分、大島に代えてMF福森晃斗を投入し守備を固めた。ロスタイムは7分の表示。広島は最後まで諦めずに戦ったが、得点は奪えず。川崎Fが3-1で勝利し、2戦合計5-3で2回戦進出を決めた。

(取材・文 近藤安弘)

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