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[MOM460]大阪桐蔭MF俵石直哉(3年)_宇佐美の元チームメートが“魅せて”V弾

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平成23年度全国高校総合体育大会「2011熱戦再来 北東北総体」サッカー競技(秋田)
[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[7・30 全国高校総体3回戦 大阪桐蔭1-0神村学園 西目カントリーパークサッカー場]

 ゴール前で魅せた。大阪桐蔭は前半9分、FW田中淳一が豪快な左足ミドル。正面を突いたシュートをGKが弾いた先に詰めていたのはMF俵石直哉(3年)だった。慌ててクリアしようと飛び込んだGKの目前で俵石は鮮やかなチップキック。ボールを浮かしてかわし、GKを無力とすると、そのまま先制ゴールを押し込んだ。「GKが倒れていたし、あれはボクの見て欲しいところ」と笑顔で答えた俵石。ここぞの見せ場でテクニックを見せ付けて奪ったゴールは、チームを3年ぶりの8強へと導く決勝ゴールとなった。

 印象的なプレーを魅せたのはゴールシーンだけではない。相手が2人がかりでボールを取りに来ても反転を交えて巧みにボールを守り、展開する俵石の技術の高さはこの日も際立っていた。本人はスタミナ不足や守備時の貢献度を課題に挙げていたが、それでもその技術は相手にとって脅威。京都府出身で国体京都府選抜にも名を連ねていた実力者は、その実力をピッチ上に披露し続けた。

 憧れの先輩の姿を追い続けてきた。俵石は京都の長岡京サッカースポーツ少年団出身。ひとつ上の年代にはG大阪からバイエルンへ移籍したFW宇佐美貴史がいた。ひとつ上の代のチームに“飛び級”してともにプレーしていた俵石にとって宇佐美は特別な存在。「(先輩の宇佐美は)当時から本当に上手かった。一緒にやっていたから自分も成長できた。練習以外でも『こういうところにパス出せ』とかアドバイスしてくれていた。自分もサッカーをやっている以上、日本代表やワールドカップ優勝が目標。いつか一緒にプレーしたい」。

 宇佐美がプロ契約を結んだ後も、相談に乗ってもらい、ドイツ出発直前にも会う機会があったという。そしてかけられた言葉は「プロへ」。憧れの先輩からの言葉を実現するため、今大会でも1試合でも多くプレーして多くの関係者に自分自身のプレーを見てもらいたいという思いがある。

「パスや足元の技術にこだわってやってきた」MFはメンタル面でも成長し、チームに欠かせない存在になっている。「一番はチームが勝つこと。その中で自分をもっと出せればいい」。ドイツへ渡った偉大な先輩との差はまだまだ大きい。だが少しずつ詰めていつか同じ舞台に立つ。全国タイトル獲得をそのための足がかりにする。

(取材・文 吉田太郎)

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