[8・19 東日本大震災復興支援チャリティーマッチ　なでしこジャパン3-2なでしこリーグ選抜 国立]

　東日本大震災復興支援チャリティーマッチが19日に東京・国立競技場で行われ、来月からロンドン五輪アジア最終予選を戦うなでしこジャパンとなでしこリーグ選抜が対戦した。世界一に輝いた女子W杯ドイツ大会後の凱旋試合となった一戦には22049人の観客が集まった。試合はなでしこジャパンが3-2で勝利した。前半15分にDF近賀ゆかりのゴールで先制すると、同18分にはMF川澄奈穂美、同25分にはMF阪口夢穂が追加点を決めた。後半5分にはFW菅澤優衣香に1点を返され、終了間際にはPKを献上。FW渡辺彩香に決められて、1点差に詰め寄られたものの、3-2で逃げ切った。

　女子W杯を戦ったメンバーから海外組の4選手が不在のなでしこジャパンはシステムはこれまで同様に4-4-2を採用。GK海堀あゆみ、DFラインは右から近賀ゆかり、矢野喬子、岩清水梓、田中明日菜。ダブルボランチは澤穂希と阪口夢穂が入り、2列目は右に大野忍、左に宮間あやが入った、2トップは川澄奈穂美と丸山桂里奈が組んだ。

　対するなでしこリーグ選抜は代表経験者8人が先発に名を連ねた。GKは大友麻衣子、DFラインは右から土橋優貴、甲斐潤子、川村優理、清水由香、ダブルボランチは柳田美幸と南山千明が組んだ。2列目は右から中野真奈美、中島依美。2トップは宮本ともみと菅澤優衣香が務めた。

　立ち上がりから、なでしこジャパンが立て続けに見せ場をつくった。前半6分、矢野の左クロスからファーサイドの大野が右足ダイレクトでシュートを放ったが枠を外れた。しかし同15分に早くも先制に成功した。ゴールライン際で川澄が粘ると折り返しを受けた宮間が左クロス。ファーサイドの近賀が右足ダイレクトで叩き込んだ。

　さらに前半18分、丸山が右サイドからPA内へドリブル突破。DFをかわして切れ込むと、ゴール正面の川澄へラストパス。これを川澄がゴール左へ右足シュートを決め、2点差にリードを広げた。同20分には、またもフレッシュな2トップが好機を演出。川澄がPA内左で仕掛けてボールキープ。パスを受けた丸山がゴール左からシュートを放ったがDFに阻まれた。その後もなでしこジャパンが試合の主導権を握り、時間は進んだ。前半25分には、PA外右の遠目の位置からのFKを宮間が蹴りこむとニアサイドの阪口が頭で合わせ、ダメを押す3点目を決めた。

　対するリーグ選抜は前半8分にドリブルで仕掛けた宮本がゴール左からミドルシュート。これはわずかにポスト右へ外れた。同23分にはオーバーラップした清水が左サイドから中央へ切れ込み、前線の中島へ決定的なスルーパス。しかしオフサイドとなり、シュートまでは持ち込めない。決定機をつくることはできずに前半を終えた。

　後半からは互いにメンバーを入れ替えた。なでしこジャパンは海堀、岩清水、丸山に代わって、GK福元美穂、DF上尾野辺めぐみ、FW高瀬愛実を投入。左SBに上尾野辺が入り、矢野がCBに回った。リーグ選抜は清水と中島に代わり、FW木龍七瀬とFW米津美和をピッチへ送った。

　後半5分、左サイドから木龍がドリブルで駆け上がりクロスを入れると、ファーサイドでフリーの菅澤が右足ダイレクトで蹴りこみ、リーグ選抜が1点を返した。2点差に詰められたなでしこジャパンは同17分に大野に代えて、唯一女子W杯ドイツ大会メンバーではないFW永里亜紗乃。同18分には澤に代えて、MF宇津木瑠美をピッチへ送った。これにより全16選手が出場を果たした。同18分には、リーグ選抜もメンバーを交代。宮本に代えて、MF小林弥生が出場した。

　その後は互いにシュートまで持ち込めない時間が続いたが、後半35分には再び川澄がチャンスメイク。中央からドリブルで持ち込み、DFをかわしてシュートを放ったがGKに阻まれた。同38分にはリーグ選抜がチャンスをつくる。左クロスを受けた中野が右足シュートを放ったが、ポスト左へ外れた。リーグ選抜は終了間際の43分に3人の選手を交代。大友、菅澤、中野に代え、GK松林美久、FW渡辺彩香、MF川村真理が出場した。このまま終了かと思われた後半ロスタイム1分、PA内でなでしこジャパンの矢野が渡辺を倒してしまい、PKを献上。これを渡辺がゴール右へ冷静に決めた。そのまま試合は終了し、なでしこジャパンが世界女王の面子を保ち、3-2で勝利した。

(取材・文　片岡涼)

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