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[なでしこ]OGで先制も終了間際に追いつかれる、中国が引き分け以下なら五輪出場決定へ

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[9.8 ロンドン五輪女子アジア最終予選第4戦 日本1-1北朝鮮 中国・済南]

 ロンドン五輪アジア最終予選の第4戦が中国・済南で行われ、3連勝中で首位の日本女子代表は2位・北朝鮮女子代表と対戦し、1-1で引き分けた。FW永里優季(ポツダム)のプレーがオウンゴールを誘発し、先制に成功。しかし終了間際のロスタイム2分にFWキム・チョランに同点弾を決められた。この試合に勝てば自力で2位以内が確定し、最終戦を残してロンドン五輪出場が決まっていたが、このあと日本時間20時から試合を行う3位・中国の結果待ちとなった。中国が4位・オーストラリアに引き分け以下なら、その時点で日本の2位以内が確定。中国が勝った場合は、11日に行われる中国との直接対決で日本が引き分け以上なら自力での五輪出場権獲得となる。

 日本は第3戦のオーストラリア戦(1-0)と同じシステム、メンバーで試合に臨んだ。システムは4-4-2を採用。GKは海堀あゆみ。DFラインは右から近賀ゆかり岩清水梓熊谷紗希鮫島彩。ダブルボランチを澤穂希阪口夢穂が組み、2列目は右に大野忍、左に宮間あや。2トップは永里優季と川澄奈穂美が務めた。

 前半5分、川澄のパスから右サイドへ抜け出した大野が永里優とのワンツーからチャンスを演出。永里優のポストプレーからPA内右でボールを受け、大野がシュートを狙うも枠を外れた。その後はチャンスらしいチャンスをつくることはできない。横パスや後方へのパスが増え、押し込まれる時間が続いた。

 ロングボール主体で攻めてくると思われた北朝鮮だったが、中盤から丁寧なショートパスで攻撃を展開。連戦の疲労から日本は出足が遅れ、北朝鮮に自由なパスワークを許してしまう。前半終了間際のロスタイム1分にはGKとDFラインの間へクロスを入れられ、ピンチを招くが、GK海堀がストップ。0-0で前半を折り返した。

 後半からは大野が1列ポジションを上げ、永里優と2トップを組み、川澄が右MFへ下がった。立ち上がりから流れを変えていきたい日本だったが、チャンスをつくることができずに時間は過ぎる。後半8分には大野に代えてFW安藤梢を投入。安藤はそのまま前線に入り、永里優と2トップを務めた。

 後半17分、ようやく日本が決定機をつくる。前線で安藤が激しいプレッシングからボールを奪取。澤、宮間とつなぐと、最後は宮間の左クロスから永里優が頭で合わせたが、惜しくもゴールネット上へ外れた。

 その後はなかなかチャンスがつくれず、苦しい展開。しのぐ時間が続いたが、後半37分、ワンチャンスをものにした。岩清水が自陣内から前線へロングボールを蹴り入れると、永里優が後方からのボールに右足で合わせてシュート。これはGKに阻まれたが、こぼれ球がDFキム・ナムヒに当たり、オウンゴール。待望の先制点を奪った。

 このゴールで勢いづき、積極的に攻めにかかるなでしこジャパン。前半とは打って変わったように果敢に仕掛けた。しかし、ミスから逆に押し込まれ、立て続けにピンチを迎えると、終了間際のロスタイム2分、左サイドからMFリ・エギョンにクロスを許し、PA内で近賀がクリアミス。相手MFに拾われ、最後は後ろから走り込んできたFWキム・チョランにフリーで左足シュートを打たれてしまった。これがゴールネットへ吸い込まれ、土壇場で1-1の同点に。痛恨のミスから失点を喫し、ドローで試合を終えた。

 試合後のテレビインタビューで佐々木則夫監督は「最後の最後でミスも重なった中でありましたが、これは仕方ない」とコメント。「切り替えて、次につなげなきゃいけない。しっかりと引き分けている。まだまだ大きなチャンスはありますから」と前を向いた。

 このあとの試合で中国が勝てば、最終戦はその開催国と直接対決で五輪切符を争うことになる。完全アウェーの一戦だが、宮間は「もう1試合あるので。自分たちで(出場権獲得を)決められなかっただけで、負けたわけじゃないので、また次に向かっていきたいと思う」と力を込めた。


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