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絶好調男・播戸が貴重な同点弾、「頭を使って、一瞬の勝負で取った」

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[9.14 ACL準々決勝第1戦 C大阪4-3全北現代 長居]

 絶好調男の勢いは、ACLへと舞台が変わっても発揮された。セレッソ大阪のFW播戸竜二が今大会初先発し、0-1の前半29分にチームを勢い付かせるゴールを決めた。

「先発で出て、点が取れたのは良かった。ゴールシーン? 僕の場合、大きいというわけではないので、フィジカルで対抗しても勝てない。頭を使って、ちょっと後ろに行ってからボールを受けようと。あの一瞬の勝負。後ろに行って視界から消えて、勝負した」

 本人も自画自賛のゴールだった。MF清武弘嗣が右サイドを駆け上がったMFキム・ボギョンにパスを送った。キムがドリブルで仕掛けてPA内に突進すると、播戸は一度少し引いて再びニアサイドに突進。相手DFの前に入り込んで左足で押し込み、1-1の同点に導いた。

 チームは前半の立ち上がりにリズムを掴んでいた。前半2分、自身のダイレクトシュートなどでチャンスも作った。しかし、一瞬の隙を付かれて前半6分に失点。ホームで早い時間の失点となり、嫌な雰囲気が漂ったが、ムードメーカーにもなっているベテランが、一撃で場の空気を変えた。

 10日のリーグ戦広島戦では、途中出場でハットトリックを達成。8月20日の清水戦でも途中出場で達成させるなど、最近4試合で2度のハットトリックと大暴れしている。シーズン通算でも8得点と結果を残していた。それまでは、戦術的な理由で“スーパーサブ”としてベンチスタートになることが多かったが、ACLでも先発をゲット。負けられない大一番で、クルピ監督の期待に応えてみせた。

 ただ、本人は満足していない。「2点目取れるチャンスはあった。もっとどんどん、自分で取りに行かないといけなかった」と1点に終わったことを反省。さらに足をつらせたこともあり、後半23分に交代とフル出場がかなわなかったことも課題とした。「まだもう少し、コンディションの問題もある。今日はベンチに選手もいるし、行けるとこまで行こうとやった。自分の中では出しきることができた」と複雑な思いも吐露した。

 とはいえ、欲しいところでゴールを取るのはさすがの一言。今後も、先発でも途中からでも播戸の“勝負強さ”が必要になってくる。「コンディションを上げて、もう少し、相手の裏を突くプレーをしたい。プレー的にもだし、頭的にも考えて裏を付きたい」と播戸。引き分け以上でいいとはいえ、27日のアウェー戦はほんとの大一番となる。決戦へ向けてベテランはもっともっと牙を研ぐ。

(取材・文 近藤安弘)

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