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[MOM154]中央大FW安柄俊(3年)_U-22北朝鮮代表が“規格外”の一撃

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9・17 関東大学リーグ1部第11節 駒澤大2-5中央大 西が丘]
  
「“規格外の特長”を持っている。難しいシュートを決めて、簡単なシュートも決めてくれるといいけれど」と佐藤健監督は苦笑いしていたが、中央大のU-22北朝鮮代表ストライカー、安柄俊(3年=東京朝鮮高)が「規格外」の一撃を決めた。

「タイミングよく動き出して、(高瀬)優孝からいいボールが来た。抜け出したときにもう打とうと。もうちょっと寄せられると思ったけれどスペースもあった」。1-2の後半16分、安はSB高瀬優孝が左サイド後方から出した縦パスに反応すると、ダイレクトで左足を振りぬく。後方から飛んでくる難しいボールだったが、183cmFWが左足で捉えた一撃はGKの指先を抜けてそのままゴールを破る同点ゴール。「メンタル、フィジカル両面でいい状態にない」というコーチングスタッフの判断から交代出場だったものの、「監督、コーチが練習後に呼んでくれてアドバイスをくれたり支えてくれて感謝しているし上げていかないといけない」と意気込むFWは圧巻の一撃でチームの期待に応えた。

 6月にはロンドン五輪を目指すU-22北朝鮮代表の一員としてアジア2次予選で奮闘。対戦したUAEは09年U-20W杯8強世代の強敵で、チームはホーム&アウェー戦の2戦合計1-2で敗れたものの、安は2試合ともに先発して勝利のために身体を張った。「現在の世界基準が分からなかったけれど、強いUAEとやることができた。今以上にフィジカルや球際の強さが必要だと感じた」と世界レベルを体感。国際舞台で得た経験を今後につなげるつもりだ。

 五輪出場の夢は叶わなかったが、切り替えてW杯出場を目指す。「次のワールドカップ、その次のワールドカップに出ることを目標にする。南アフリカのワールドカップはテセさんやヨンハさんがいても3戦全敗だった。(次のワールドカップは)ボクが点を取ってチームがグループリーグを突破するように。ゴールを決めたい。でも今のままじゃA代表入りは叶わない。残りの大学生活でもっと成長できるように、ゴールにこだわっていく」。怪我や代表活動によって今季リーグ戦のゴール数はまだ2。“規格外”のストライカーはこれからゴールを量産してアピールし、A代表へ上り詰める。

(取材・文 吉田太郎)

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