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[MOM486]千葉FW森永卓(1年、流通経済大柏)_「小さくてもやれる」こと証明した152cmFW

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.6 山口国体少年男子決勝 千葉0-0静岡 おのだサッカー交流公園]

 本来CFながらCBとして千葉の優勝に貢献した桜井将司や中盤の柱を担った小林大地、そして好守を連発した静岡GK高木和徹ら決勝で存在感を放った選手たちがいた。その中でも千葉の152cmFW森永卓(流通経済大柏)が見せた攻守が最も光っていた。

「負ける気がしなかった」。先月末に行った静岡との練習試合では森永の2得点で4-0で勝利していた。それだけに単独優勝できなかった悔しさが残った。それでも「千葉は守備がスゴイ。前線からのプレスと言うのは流経でもやっていることを出せた」。大会登録選手では最も身長の低い152cm。だが果敢に前線から相手との距離を詰めて激しいコンタクトも厭わない。特に攻撃から守備への切り替えの速さが相手のカウンターの速度を落としていた。隣県・福岡県北九州市の小倉南FC出身の森永には旧友が駆けつけていたというこの日。森永は「疲れるよりもうれしかった」とそのパワーも力に躍動していた。

 攻撃面ではキープ力と加速力十分のドリブルが印象的だった。前半25分には右サイドからのドリブルでDFを置き去りにしてラストパス。また好連係を見せていたFW宮澤弘への好パスで決定機を生み出していた。関東予選ではメンバー外。ただ千葉選抜と流通経済大柏高との練習試合でアピールしてきた森永はけが人に代わり、登録変更でメンバーに加わった。その中で、前線の柱として勝利に貢献。同じく本大会で新たに加わった宮澤と森永の2人について石渡靖之監督は「攻撃については関東ブロック(予選)より数段上がった。攻撃が活性化された」とその存在を優勝の要因に挙げていた。

 視察していた関係者たちからも「ボールを取られないし、守備でも頑張る。あの子は外せない」と絶賛されていた森永。ただ課題も残る大会となった。「点を決めることを課題にしたい。シュートの意識が低い。ゴールを見ていないので、もっと攻撃していく」。優勝に貢献できたことはうれしかったが、今大会は1得点。この日も延長後半にビッグチャンスを迎えるなど試合を決めるチャンスはあっただけに、もっとゴールを決めなければならない。

 名門・流経大柏では「小っちゃいから走れ」と鍛えられてきた。「小さくてもできることを証明したい」と走り回ったFWはこれから点を取ることをさらに進化させる。
 
(取材・文 吉田太郎)

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