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柏はリーグ戦に備え“ほぼベスト布陣”を採用、栃木ウに完封勝ち

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[10.8 天皇杯2回戦 柏2-0栃木ウ 柏の葉]

 J1優勝を狙う柏レイソルとJFLの栃木ウーヴァFCの一戦は、ほぼベストメンバーで臨んだ柏が貫禄の2-0勝利を果たした。柏は日本代表の活動でDF酒井宏樹が不在だったが、FW工藤壮人のほか、FW北嶋秀朗が負傷から復帰後、公式戦初先発。中盤では司令塔のレアンドロ・ドミンゲス、MFジョル・ワグネルら助っ人も先発のピッチに立った。

 開始4分、柏がセットプレーで先制に成功した。左CKのチャンスで、レアンドロのキックはファーに流れたが、DF増嶋竜也が右足で流し込んで1-0リードを奪った。増嶋にとっては待望の柏移籍後初ゴールとなった。

 その後、北嶋のポストプレーや工藤のスピード、助っ人コンビが実力を発揮し、柏がボールを支配した。しかし、栃木ウーヴァは粘り強い守備を発揮。前半は柏が1-0のままで折り返した。後半開始、柏はDF藏川洋平に代えてMF茨田陽生を投入。茨田はそのまま右SBに入った。

 ボランチが本職の茨田にとっては不慣れなポジションだが、器用さを発揮。後半も柏のペースで試合が進んだ。そして同14分に待望の追加点を奪った。レアンドロ・ドミンゲスが得意のドリブルでバイタルエリアを攻略し、最後は左足で流しこむようにしてシュート。左隅にきっちりと決め2-0とリードを広げた。

 これで柏はメンバーの入れ替えを行う。後半21分にはレアンドロに代えてMF水野晃樹、同34分には北嶋に代えてFW田中順也を投入。リーグ戦でも途中投入されることが多い水野や、本来はレギュラーの田中を途中から起用し、今後のリーグ戦に向けてシュミレーションもこなした。

 終盤、追加点が奪えず2-0のままで終わったことは残念だが、クラブによると、ネルシーニョ監督は「もっと得点できるシーンもあったが、特に重要視していたモチベーション、試合に取り組む姿勢、ハードワークなど、選手たちはしっかりこなし、攻撃に出た時のリスクマネジメントもしっかりやれていた。2-0というのは妥当な結果だと思う」と一定の評価を与えた。

 1得点1アシストのレアンドロ・ドミンゲスは「ゴールシーンはドリブルで持ちあがって、切り返したら、シュートコースが見えたので転がすだけだった。ただ相手も引いていたので、フィニッシュに行ききれない場面も多かった。自分も緩いシュートで終わったりしたので、次は改善したい」と振り返った。

 2日の鹿島戦は欠場したが、この日はフル出場で中盤を支えたMF栗澤僚一は「リーグ戦と同じテンションでゲームに入れたので、前半の立ち上がりはすごく良かった」と口にしつつも、「ただ先制した後、もう1点獲りにいく姿勢は出せたが、突き放せる場面もいかせなかったので、そこは突き詰めていきたい」と決定力が不足したことを嘆いた。

 たしかに、シュート数は相手の5本に対し17本と、もっと点を取っていてもよかった。2-0から途中出場し、攻撃を活性化させることを期待された水野は「出た時間でいいパスもあったが、流れを変えられなかった。自分としてはレアンドロと同じプレーを監督に求められていたので、アシストや得点という結果にこだわっていきたかった。少しラストパスも良いところ良いところにと狙いすぎてしまった」と反省した。 

 柏は11月16日の3回戦は甲府と対戦するが、その前に、優勝争いをしているJリーグがある。再開初戦の10月16日には山形戦が待つが、この試合はレアンドロが出場停止なだけに、レアンドロが退いた終盤にゴールを奪いたかったのが本音。水野は「次節はレアンドロが出られない分を、他の選手でカバーしないといけない。その意味では今日の試合は大事な試合だった。ゲームを落ち着かせるプレーと判断のスピードを上げていきたい」と気を引き締め直していた。


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