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エースFW2枚不在も総力戦で金星獲得!!福岡大がPK戦の末に大宮を撃破

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[10.10 天皇杯2回戦 大宮1-1(PK3-5)福岡大 熊谷]

 福岡大がJ1・大宮を撃破!天皇杯2回戦が10日に各地で行われた。2年ぶり26回目の天皇杯出場となった福岡大が大宮アルディージャに1-1でもつれ込んだPK戦の末に、PK5-3で勝利した。Jリーグ勢に勝利するのは、2回戦で水戸(当時J2)に勝利した09年大会以来、2年ぶりのこととなった。11月16日の3回戦では湘南と対戦する。

 この日の福岡大はルーキーFW山崎凌吾が足首の捻挫、アビスパ福岡・特別指定選手のFW石津大介が左足指骨折で負傷離脱中とチームの顔であるストライカー2人が不在。それでもJ1勢相手に堂々の戦いぶりをみせ、金星を勝ち取った。試合後のインタビューで主将を務めるMF假屋健太は「エース2枚がいない状況だったが割り切って、やるしかないと思っていた。それで結果がついてきて良かった」と満面の笑顔でコメント。守備の要であるCB牟田雄祐は「相手が攻めてくる展開が続いていた。それでもしっかり守って戦えて、きょうは応援も含めてチーム全員で勝ち取った勝利」と総力戦での白星に胸を張った。

 開始直後から福岡大がJチームに臆することなく、攻めにかかった。前半2分、後方からのロングボールに右サイドへ抜け出した日本代表MF清武弘嗣の実弟・FW清武功暉がGKをかわして、中央へ折り返す。これに走り込んだMF田村友がシュートを放つもDFに阻まれた。同12分には田村の右クロスにファーサイドの清武が合わせてヘディングシュート。これはポスト左へ外れた。

 守っては大宮の攻撃に押される場面も目立ったがGK藤嶋栄介が好セーブを連発。前半10分にはMF上田康太のロングボールに抜け出したMF渡邉大剛に左サイドを崩され、最後はゴール正面のFWラファエルにフリーでシュートを打たれた。しかし守護神・藤嶋がこれをストップ。同36分にはMF東慶悟のパスを受けたMF金久保順にゴール正面から強い弾道のシュートを打たれるも、藤嶋が左手一本で止めた。前半を0-0で折り返した。

 試合が動いたのは後半25分だった。PA外中央寄りの位置でFKを献上。これを上田にゴール右隅に決められて、先制点を許してしまった。しかし福岡大は失点に怯むことなく、果敢に攻める。すると失点から2分後の同27分、右サイド後方からのロングボールをPA内右で田村と競り合ったDF片岡洋介がクリア。ゴール正面にこぼれたボールをリーグ戦・チーム内得点王のMF田中智大が右足ダイレクトでボレー。「攻めるしか無い状況だったので、気持ちで持っていきました」という豪快なシュートがゴールネットを揺らし、福岡大が1-1に追いついた。

 後半29分には再びFKを献上。しかし、上田の蹴り込んだボールは運良くクロスバーを直撃した。そのまま90分間でも決着はつかず、試合は15分ハーフの延長戦にもつれ込んだ。福岡から駆けつけた約80人のスタンド部員からの声援を受け、延長戦に臨む福岡大。延長前半には波状攻撃で押し込まれ、最後はFW李天秀にシュートを打たれたが、ゴールライン上で牟田が決死のクリア。「練習でもどれだけギリギリのところで守りきれるかやっているので」という“普段通り”のプレーでゴールを守り抜いた。延長戦でも試合は決まらずにPK戦へ突入した。

 先攻の福岡大は、1人目のMF鈴雄太から4人目まで全員が浮き足立つことなく、落ち着いて決める。対する大宮もラファエル、渡邉、東がシュートを決めた。そして後攻・大宮の4人目は延長後半から途中出場していたMF藤本主税。ゴール左へ蹴り込んだボールは、惜しくもポスト左を叩いた。決めれば勝利とプレッシャーのかかる福岡大の最終キッカーは、サガン鳥栖・特別指定選手ですでにJリーグで1試合に出場しているMF黒木恭平。冷静にゴール左へ決めた瞬間、福岡大の2回戦突破が決定した。

 試合後のテレビインタビューで乾真寛監督は「できすぎですね」と笑顔。「ベストメンバーではなかったが、大学生でもやればできるというところを見せてくれた」と話し、「FW2人がケガでいなかった。それをどう補うかというところで、補って余りある守備をしてくれた。PKまで行ければ本望だと思っていたが、本当に選手たちはよくやってくれたと思う」と計120分間を戦い抜いた選手たちを称えた。

 3回戦は11月16日に行われ、福岡大は再びJリーグ勢の湘南と対戦する。假屋主将は「J1のチームに勝たせていただいたので、僕たちは大学生らしく前向きに、次の試合も頑張りたいと思います」と力強く意気込んだ。

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