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ザックジャパンが11年ぶり8発で圧勝!!次戦にも最終予選進出決定へ

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[10.11 W杯アジア3次予選 日本8-0タジキスタン 長居]

 ザックジャパンが11年ぶりの8得点で爆勝!! ブラジルW杯アジア3次予選は11日、各地で第3戦を行い、日本代表は大阪・長居スタジアムでタジキスタン代表と対戦し、8-0で大勝した。前半11分、国際Aマッチ初先発となったFWハーフナー・マイクの初ゴールで先制すると、19分にFW岡崎慎司が追加点。35分にはDF駒野友一の国際Aマッチ初ゴールで3-0とリードを広げ、41分にもFW香川真司がゴールを決めた。後半に入っても2分にハーフナー、11分にMF中村憲剛、23分に香川、29分に岡崎が加点。11年ぶりとなる国際Aマッチ1試合8得点のゴールラッシュでタジキスタンを一蹴した。
 日本は2勝1分の勝ち点7に伸ばし、得失点差でウズベキスタンを上回り、C組単独首位に立った。今後は11月11日にアウェーでタジキスタン、同15分に同じく敵地で北朝鮮と対戦。日本が11月11日のタジキスタン戦に勝ち、同日行われるウズベキスタンvs北朝鮮戦でウズベキスタンが勝った場合、2試合を残して日本とウズベキスタンの2位以内が確定し、最終予選進出が決まる。
 昨年10月8日のアルゼンチン戦(1-0)で初陣を飾ったザッケローニ監督は、就任からの国際Aマッチ連続無敗記録を15に更新。さらに岡田武史前監督が指揮していた昨年6月24日の南アフリカW杯・デンマーク戦(3-1)以降、国際Aマッチ19試合連続無敗(12勝7分、PK戦は引き分け扱い)となり、代表史上歴代1位の記録をさらに更新した。

 7日のベトナム戦(1-0)で3-4-3のシステムを採用した日本だが、この日は4-2-3-1に戻した。トップ下で先発した中村は昨年9月4日のパラグアイ戦(1-0)以来、約1年1ヵ月ぶりの先発で、ザックジャパンでは初先発。1トップは5試合連続先発中のFW李忠成に代わってハーフナーが入り、国際Aマッチ初先発となった。
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 試合は立ち上がりから一方的な展開となった。日本が完全に中盤を支配し、タジキスタンを攻め立てる。前半1分、ドリブルで仕掛けたMF長谷部誠の縦パスをFW香川真司がヒールで流し、FW岡崎慎司が左足でシュート。これは惜しくもGKの正面を突いたが、いきなりの決定機でリズムに乗った。

 前半6分には中村の左CKからハーフナーを越えた逆サイドのDF吉田麻也が左足で合わせるもGKが好セーブ。同9分には香川が左サイドから中に切れ込み、右足でミドルシュートを狙った。

 早い時間に1点が欲しい日本は前半11分、ザッケローニ監督の采配がずばり当たる。右サイドをDF駒野友一が駆け上がると、中村とのパス交換から狙い澄ましたクロス。これを194cmのハーフナーが打点の高いヘディングで合わせ、ゴールネットを揺らした。国際Aマッチ3試合目の出場で初先発に抜擢されたハーフナーのA代表初ゴールで先制点。その後も日本は攻撃の手を緩めず、さらに攻め込んだ。

 前半15分、DF長友佑都の左クロスを岡崎が頭で落とし、中村が右足ボレーで合わせるが、ゴール上に浮く。同17分、18分にも中村が積極的にシュートを放った。すると同19分、右サイドの高い位置でボールを奪い、駒野が中央に入れたボールを中村がスルーパス。ハーフナーがスルーする形でPA内に走り込んだ岡崎がワントラップから落ち着いて右足を振り抜き、GKの頭上を越す豪快な一撃を叩き込んだ。

 1試合複数得点は8月10日の韓国戦(3-0)以来、4試合ぶり。早い段階で2点リードを奪った日本は余裕の試合運びを見せる。前半25分には中村の右CKに吉田が頭で合わせるが、GKの正面。同32分にも駒野の右クロスからハーフナーがヘディングシュートを放つなど何度となくシュートシーンをつくった。

 そして前半35分、右後方から駒野が上げたクロスボールをハーフナーが落とし、PA内に飛び込んだ中村がシュート。GKが前にこぼし、DFのクリアも中途半端となると、こぼれ球に反応した駒野がPA外右45度から右足を振り抜く。強烈なシュートはDFの足を弾いてゴールネットを揺らした。駒野は国際Aマッチ65試合目の出場にして初ゴール。3-0とリードを広げると、同41分には、悩める背番号10に待望のゴールが生まれた。

 左サイドから中村が鋭いグラウンダーのクロスを入れると、ニアサイドに走り込んだ香川が右足アウトサイドで合わせる技ありのシュート。ボールはGKの手を弾いてゴールマウスに吸い込まれ、4-0と大量リードを奪って前半を折り返した。

 後半も終始、日本がペースを握った。後半開始からわずか2分、右サイドからの駒野のアーリークロスを再び打点の高さを見せたハーフナーがDFに競り勝ち、ヘディングでゴール右隅に流し込む。「駒野→ハーフナー」でこの日2点目を奪い、5-0とさらに突き放した。

 直後の後半4分にはハーフナーに代わってFW李忠成を投入。李はファーストプレーで中村の右CKからヘディングシュートを放つが、GKに抑えられた。同8分には長友のシュートがクロスバー、岡崎のミドルがポストを直撃。立て続けに決定機をつくると、同11分、長友からPA内左でパスを受けた中村が冷静に左足でゴール右隅に流し込んだ。中村の09年9月10日のガーナ戦以来、約2年ぶりの代表戦ゴールで6-0。1月17日のアジア杯・サウジアラビア戦の5-0を上回り、ザックジャパンでは1試合最多得点となった。

 日本は後半17分に長谷部に代えてMF細貝萌を投入。キャプテンマークはMF遠藤保仁が左腕に巻いた。日本のゴールラッシュは止まらない。同23分、遠藤から右サイドでパスを受けた香川が右足でゴール前に入れると、クロス性のボールはそのままゴール方向に流れ、GKの手を越えてゴール左上隅に吸い込まれた。香川のこの日2得点目で7-0。岡田武史前監督時代の09年10月8日のアジア杯予選・香港戦(6-0)を超え、ジーコ元監督時代の04年6月9日のドイツW杯アジア1次予選・インド戦(7-0)と並ぶ大量得点となった。

 さらに後半29分、駒野の右クロスを李が競ったこぼれ球を中村が拾い、左クロス。これを岡崎が体を投げ出したヘディングシュートでゴールネットを揺らした。中村はこの日3アシスト目。2得点の岡崎は国際Aマッチ通算24得点とし、23得点のFW高原直泰(清水)を超え、MF中村俊輔(横浜FM)と並んで歴代6位タイとなった。

 日本は後半32分に岡崎を下げ、FW藤本淳吾をピッチに送り込み、交代枠3枚を使い切った。その後もタジキスタンにチャンスを与えることなく、試合を支配し続け、8-0でタイムアップ。トルシエ元監督時代の00年10月17日のアジア杯・ウズベキスタン戦(8-1)以来、11年ぶりとなる1試合8得点のゴールラッシュに4万4688人の大観衆で埋め尽くされたスタンドも歓喜と熱狂に包まれた。

[写真]ともに2得点を決めた香川(左)とハーフナー。期待の2人が活躍した

(取材・文 西山紘平)

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