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筑波大、技術魅せるも「驚き」与えられず敗退

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[10.12 天皇杯2回戦 鹿島2-0筑波大 カシマ]

「驚き」を与えるまでは至らなかった。筑波大はJ注目の司令塔・八反田康平とMF玉城峻吾を中心とした中央突破でゴールへ迫り、玉城がクロスバー直撃のミドルシュートを撃ち込むなど鹿島からシュート9本を放った。だが、ゴールをこじ開けることはできず無得点敗退。元日本代表MFの風間八宏監督は「技術のミスを少なくすること。(序盤はよかったが)途中からは誰もが『取られない』というところで取られてしまっていた。そして力んで、力でシュートを打ってしまっていた。(シュートは)正確にGKのいないところへ蹴らないといけない。もっとシュートの上手い選手へのトレーニングをしなければならない」と各選手の個の向上のために必要なポイントを口にしていた

 風間監督の下でどこよりも徹底して磨いてきた技術。「自分たちがミスしなければ取られることはない」と自信を持って、Jクラブを代表する強豪に挑んだ。前半22分には玉城の左足シュートがクロスバーを叩き、36分には八反田とMF上村岬のコンビで相手の中盤に風穴を開けた。その後もボールを支配する時間は長かった。技術を駆使して立ち向かったが八反田は「自分たちのゴールの近くでファウルをしてミスが続いた中で失点してしまった。自分たちのミスもあるし、相手が上手かった」。序盤は流れよく攻めていたものの、ラストパスの前の段階で狙われてボールを失い、逆に鹿島MF柴崎岳の絶妙なサイドチェンジなど相手の正確なパスに振り回された。局面での攻防戦でも劣勢を強いられたチームは不用意にボールを失ってはファウルで勢いをそがれてしまう場面が散見された。そして指揮官の指摘どおり、強引にシュートを打っては枠を外してしまい、チャンスを失った。

 交代出場で強烈な左足シュートを放ったFW瀬沼優司は「シュートを力でやり過ぎていた。もっとシュートテクニックをつけていかなければならない」。現在関東大学1部では7勝4分2敗で首位。Jリーグを代表する強豪撃破は叶わなかったが、大学タイトル奪取へ切り替える。八反田は「Jリーグのチームと本気でやれたのはいい経験。(きょうの試合から反省して)1本のミスもしないくらいの意識で練習する。自分たちが上手くなることだけを考えてやっていく」と個とチーム力のさらなる向上を誓っていた。

(取材・文 吉田太郎)

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