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[MOM491]流通経済大柏MF古波津辰希(3年)_「守備もできて得点王」へまず2発

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.29 第90回全国高校選手権千葉県大会決勝T1回戦 千葉国際1-2流通経済大柏 鴨川]

「守備もできて、得点王も取りたい」。V候補・流通経済大柏のU-18日本代表候補MF古波津辰希(3年)がまずは納得の2ゴールだ。0-1の前半40分、MF飯島樹生(2年)の左クロスを頭でゴールへ叩き込むと、後半7分には蹴り直しとなったPKでFW田上大地主将に代わってペナルティスポットに立つと、右足シュートをゴール左へと突き刺した。

 昨年は徹底したマンマークで相手のキーマンを消す「エースキラー」としてチームの全国4強に貢献した。局面で見せる強さなど守備力の高さは誰もが認めるところ。ただ今年はフィニッシャーとしてその存在感を際立たせている。今夏の全国高校総体では初戦と準々決勝でそれぞれゴール。「狙っていた」という得点王はチームメートの田上らに奪われたが、貪欲にゴールを目指しているMFは選手権初戦で決めた自身の2ゴールを喜んでいた。

 今年の流経大柏のエースはどの試合でも常にパフォーマンスが安定していることが特長だ。この日はトップ下で先発するとFW、ボランチと3役をこなしたが、抜群の運動量と正確な技術で存在感を放った。追いつくことが明らかに難しそうなボールに全力でプレッシャーをかけて相手のキックをブレさせると、ゴール前では相手の動きを読みきった絶妙な切り返しから決定的なシュートを連発した。「公式戦の前日はいつも調子がよくて波がない。いつもいいコンディションでいられる。きょうも点取れる気がしていたし、1年生に『取ってくる』からと言っていた」。

 常に誰よりも走り、全国舞台での経験もあるエースはハイパフォーマンスを維持して目標の日本一へチームを引っ張る。「1試合1試合最後のつもるで頑張る。最後の試合が終わったときに3年間全部出し切ったと言えるように」。いずれもPK戦で敗退した昨冬の選手権、今夏の全国総体の悔しさをはもう味わいたくない。名門の10番は全てを出し切ることにこだわる。

[写真]後半7分、決勝PKを決めた古波津がガッツポーズ
(取材・文 吉田太郎)
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