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最後までかみ合わなかった攻守の歯車…山形の4季ぶり降格が決定

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[11.3 J1第31節 神戸2-0山形 ホームズ]

 モンテディオ山形の4シーズンぶりとなるJ2降格が決まった。引き分け以下なら無条件で降格が決まる崖っ縁の一戦は0-2の完敗。3試合を残して16位以下が確定した。

 08年にJ2で2位となり、クラブ史上初のJ1昇格を果たしてから3シーズン。09年は15位、10年は13位と、限られた戦力でギリギリの戦いを強いられながら、粘り強い組織的な守備をベースに2年連続でJ1に生き残ってきたが、J1挑戦3年目の今シーズン、ついに力尽きた。

 昨季、期限付きで加入したFW田代有三、MF増田誓志の2人が今オフにレンタル元の鹿島に復帰。一方で鹿島からMF船山祐二を完全移籍で獲得し、福岡から戦力外通告を受けたFW大久保哲哉を補強したが、シーズン中にFW長谷川悠、FW古橋達弥ら故障者が相次いだ。夏には広島からFW山崎雅人を期限付きで獲得し、前節までに4得点を挙げるなど一定の結果は残したが、救世主にはなり切れなかった。

 かつて03年に大分、04年にC大阪の監督としてチームを残留に導いた小林伸二監督は「攻撃を考えたシーズンだったが、なかなか点が取れずに守備的に戻したりして、そこがハッキリしなかった」と唇をかむ。堅守をベースに攻撃面の上積みを狙ってスタートしたシーズンだったが、31試合を終えて22得点は最下位・福岡よりも少ないリーグ最少得点。生命線の守備も53失点と福岡、甲府に次ぐワースト3位の数字だ。

 攻守が最後までかみ合わず、今季を象徴するような試合だった。「入りがちょっと硬かったというか、足が動いていなかった」。降格危機のプレッシャーか。小林監督が指摘したように、立ち上がりから神戸の攻勢にさらされた。前半30分、FW吉田孝行の切り返しにDFが付いていけず、ミドルシュートで先制点を奪われると、同44分にはCKからのサインプレーで2失点目。前半18分にはMF古橋達弥のシュートがGKの手を弾いてクロスバーを弾き、後半9分にもMF太田徹郎のシュートがクロスバーを直撃した。チャンスがなかったわけではないが、あと一歩のところで決め切れなかった。

 小林監督は試合後のインタビューで「どんな状況でも、しっかり準備をして、結果を出さないといけない。前を向いて、勝利をサポーターにプレゼントしないといけない」と力説した。リーグ戦は残り3試合。天皇杯も残っている。「サポーターの方は勝利を見たいと思っているし、1試合でも勝っていきたい。顔を上げて戦うので、引き続き応援よろしくお願いします」と、シーズンの最後まで全力で戦い抜くことをサポーターに約束していた。

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