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[選手権予選]本命・大阪桐蔭を下し、近大附が4年ぶりV!:大阪

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[11.12 第90回全国高校選手権大阪府大会決勝 近大附2-1大阪桐蔭 長居第2]

 第90回全国高校サッカー選手権大阪府大会決勝が12日、長居第2競技場で行われ、近大附が大阪桐蔭に2-1で勝利。4年ぶり5回目の全国大会出場を決めた。

 有力校が揃う大阪の決勝に残ったのは高校総体予選決勝リーグでもぶつかった2校だった。全国総体でベスト8に進んだ大阪桐蔭に対し、近大附は全国大会出場2枠を逃し、決勝リーグ4位で予選敗退。リベンジにかけた冬。近大附が攻守において本命・大阪桐蔭を上回った。

 立ち上がりから拮抗した展開が続く中、スコアを動かしたのは大阪桐蔭。前半30分、ゴール前に低く入った左FKを近大附の選手が手で止めてしまいPKを獲得する。キッカーはJ注目のエースFW田中淳一(3年)。背番号9はこれを左隅にきっちりと決めて先制した。

 しかし、近大附は山田稔監督が「流れの中で決められたのではなく、PKで決められたので気持ちの切り替えが出来た」と話したように、失点後も集中力は途切れず。相手のキーマンである田中、FW堀口巧(3年)に3バックが自由を与えず、シュートチャンスを作らせない。また攻撃面では両サイドから個人技を生かして大阪桐蔭の両SBが上がった裏を狙い続ける。そして前半38分、サイド突破から得た近大附の右CK。MF荒金照大(3年)がゴール前に低く入れたボールが混戦となり、こぼれたボールをFW黄将健(3年)がしっかり押し込み、1-1で前半を終えた。

 同点に追いつき、好ムードで後半に入った近大附は、ベンチから「立ち上がり5分、集中!」と声のかかっていた大阪桐蔭の立ち上がりをしっかりと抑えて、自分たちのペースに持ち込んでいく。

 サイドから前線にボールを入れて2列目の選手が飛び出す本来の近大附らしいサッカーで大阪桐蔭を押し込むと、後半14分には右サイドのMF内野圭(2年)がPAに送ったパスを荒金が繋いでFW刈谷聖哉(3年)がシュート。枠を大きく外すもこのアタックが活きてくる。18分、交代出場のFW大西峻太(2年)が右サイドに出したパスをフリーで受けた黄が、右コーナー付近からゴール前へボールを放り込む。GKは後半から続く近大附のサイド攻撃、クロスを警戒していたが、黄が上げたボールはGKの逆を突いて真っ直ぐゴールに向かい、そのままゴールネットを揺らした。

 近大附が逆転に成功。近大附は26分にもGKがカウンターから素早く前線に送ったボールを黄がドリブルで仕掛け、刈谷が飛び出すなど惜しい場面を作り続けた。また終盤、積極的に選手を代えて同点を狙いにきた大阪桐蔭の猛攻をキャプテンのDF鈴木崇史(3年)を中心に反撃を封殺。今年の高校総体予選に加えて、3年前の決勝でも敗れている因縁の相手を破り、4年ぶり5度目の選手権出場を掴んだ。

 試合後、近大附の鈴木は「悔しい思いをした桐蔭の分まで大阪のサッカーをしたい」と話し、山田監督は「昨年、一昨年と関大一高が全国で活躍してくれて『大阪もやるな』って示してくれた。うちも攻撃的なサッカーで国立を目指したい」と高らかに宣言。激戦区・大阪を勝ち抜いた勢いそのままに各校の思いを背負った近大附が全国でも旋風を巻き起こす。

(取材・文 森田将義)
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