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[選手権予選]矢板中央が県内3冠を達成!!2年ぶり全国へ:栃木

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[11.13 第90回全国高校選手権栃木県大会決勝 矢板中央3-1真岡 栃木グ]

 第90回全国高校サッカー選手権栃木県大会決勝が13日に栃木県グリーンスタジアムで行われ、矢板中央が真岡にFW石井涼斗(3年)とFW菊地夏輝(3年)の2得点で3-1で勝利した。県新人戦、夏の全国総体・県予選に続く県内3冠を達成。2年ぶり4回目の全国出場を決めた。

 ここまでの試合で相手に応じて、様々なシステムで戦ってきた矢板中央。今季幾度も対戦している真岡に対しては、準決勝の4-4-2から4-2-3-1へ布陣を変更して試合に臨んだ。これまではともに180cmを越える2トップの石井と菊地を横に並べてきたが、この日は石井の1トップ。トップ下には準決勝ではボランチに入っていた2年生MF牧原一紀(2年)が入り、右にFW福澤邦人(3年)、左に菊地が入った。準決勝までの3試合では3得点と波に乗り切れずにいた攻撃陣だったが、この日は爆発。真岡の攻撃を警戒して守備に回るため、1列ポジションを下げた菊地だったが、2得点の活躍。さらにトップ下に入った牧原は、中盤でしっかりとキープしてタメをつくり、攻撃のリズムを生み出した。

 前半7分に早くも矢板中央が先制点を奪った。MF高橋直也(3年)の右クロスをファーサイドで受けた菊地がシュート。GK平井健太郎(3年)に阻まれたが、ゴール正面に走りこんでいた石井がこぼれ球に詰めて、シュートを決めた。その後はなんとか同点弾を奪おうと真岡が攻め込む。右SBのDF工藤卓人(3年)が果敢な攻め上がりからチャンスをつくるが、シュートまでは持ち込めない。同12分には工藤のグラウンダー気味のクロスにFW茂野圭佑(3年)が走りこんだが、わずかに合わなかった。先制後は守備に回る時間も多かったが、高さで上回る矢板中央は相手の弱点を徹底的に突き、追加点をめざす。前線へハイボールを入れ、中盤でもアグレッシブな守備をみせるとボールを奪取。セカンドボールをしっかりと拾い、攻撃を展開した。追加点こそならなかったものの、1-0とリードして前半を終えた。

 迎えた後半、またしても矢板中央が相手の出鼻をくじいた。後半1分、相手DFのクリアボールをPA左で拾った菊地が迷いなく左足を一閃。「自分でも(決まって)びっくりでした。でもエリアの外からも思い切って打っていこうと最初から思っていた」と話す鈴木のミドルシュートで2点差に突き放した。さらに同11分には鈴木がこの日2点目となるゴール。相手陣内中央寄り、距離のある位置からMF田畑喜行(3年)の蹴り込んだFKをゴール左の石井が頭で落とす。最後は菊地が走り込み、3-0と試合を決定付けた。

 試合終了間際の後半39分には、MF三丸拡(3年)の左CKから最後はFW菊地広佑(3年)にヘディングシュートを決められ、失点を喫す。この直後にゴールネットからボールを拾った真岡の選手から、激しくボールを奪おうとした田畑が相手選手を倒してしまい、レッドカードで一発退場。選手権1回戦は出場停止にならないが、田畑は直近のプリンスリーグ残り2試合が出場停止処分となってしまった。結局、最後に1失点したものの、矢板中央が3-1で勝利を収めて全国行きを手に入れた。

 試合後、矢板中央の高橋健二監督は「これまでの3試合では3得点しか取れていなかったので、きょうも接戦になるだろうと思っていた。まさか最後に3点も取るとは。延長PKも予想していました」と笑顔でコメント。全国へ向けては「(優勝や初戦突破など)そんな甘いことは考えてない。まだまだなので、ここからチームを作り直して、私生活からしっかりとやっていきたい」とその表情を引き締めた。栃木県内のトーナメントでは年間無敗を維持した矢板中央が全国へ乗り込む。

[写真]2年ぶりの選手権出場を決めた矢板中央の選手たち

(取材・文 片岡涼)

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