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[MOM508]矢板中央FW菊地夏輝(3年)_「まさか2点取るとは…」指揮官も驚く意地の2発

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.13 第90回全国高校選手権栃木県大会決勝 矢板中央3-1真岡 栃木グ]

 矢板中央のFW菊地夏輝(3年)主将が2得点を決める活躍でチームを勝利に導いた。FW石井涼斗(3年)と横並びの2トップで先発することが多かったが、この日は4-2-3-1の2列目左で先発出場。「菊地は守備的に(起用した)。準決勝を見たときに真岡の右サイドの2番の選手(DF工藤卓人)がかなりスピードがあったので。うちのキャプテンがそこでどれだけ対応できるかと、菊地には課題を出しました」という守備に重きをおいての起用だったが、2得点を決める活躍で高橋健二監督の目論見をいい意味で大きく裏切った。これには指揮官も「まさか2点取るとは思わなかった。守備で頑張って欲しかったんですけどね」と目を細めた。

 1-0で迎えた後半1分、こぼれ球を拾うと迷うことなく左足を一閃。「正直びっくりした。思いっきり打ったらいいところにいってくれた」と振り返るシュートはゴールネットを揺らし、2点差に突き放した。昨年の選手権予選・準決勝の真岡戦(2-0)でも途中出場ながら、ミドルシュートで先制点を奪っていた。当時の記憶もあったため、試合後には「去年の準決勝の真岡戦でも決めていたので持ってるなぁと(笑)」と冗談交じりに話しながら、弾けるような笑顔をみせた。

 そして後半11分には、AS栃木での中学時代から切磋琢磨してきた石井とのコンビプレーで追加点。MF田畑喜行(3年)の蹴り込んだFKをゴール左の石井が頭で落とすと、最後は「涼斗が絶対に折り返してくれると信じて、飛び込んだら本当に来て、触るだけでした」と走り込んでいた菊地がシュート。試合を決定付ける3点目を決めた。

 守備に重点を置くように言われたなかでも、ストライカーらしく2点を決める働きをみせた。試合後には「しっかり守備をしたなかでも、やっぱり自分はFWの選手なので得点を取りたいので」と笑顔。全国へ向けては「インターハイではベスト16の前で負けてしまったので、それ以上をめざして、まずは国立での1勝をめざしたい」と力強く意気込んだ。

(取材・文 片岡涼)

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