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[MOM511]立命館宇治DF玉田健斗(3年)_流れを変えたラインコントロール

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[第90回全国高校選手権京都府大会決勝 福知山成美0-1立命館宇治 西京極]


「全国制覇」とともに並ぶ「Where there's a will.there's a way」の文字。「意思ある所に道はある」。選手権前に誕生日プレゼントとしてチームメイトから貰ったというキャプテンマーク。その言葉通り、強い意志を胸にした立命館宇治DF玉田健斗主将(3年)がこの試合の大きなターニングポイントを掴んだ。

 立ち上がりペースを掴んだのは福知山成美だった。玉田が「DFとボランチとの距離が空いてしまった」と振り返ったように、このスペースに福知山成美のトップ下、MF平田一慧(2年)が何度も飛び込み、そのボールキープからサイド攻撃のきっかけを与えてしまう。

 ただ、修正も早かった。ベンチからの指示が飛ぶと、玉田はすぐさま切り替え、ボールを奪うと素早く声と身振りでラインを前に、前に。「相手は前が速いので恐かったですけど、前がしっかりプレッシャーをかけてくれたのでしっかり奪えました」と振り返ったように、ラインを上げて前線までをコンパクトに保つことで守備が機能しただけでなく、中央でのパス回しからのサイド攻撃が機能しだしていく。

 得点シーンもこの流れから。ラインを上げて、高い位置で奪ったボールをFW樋口尚紀(3年)が大きく右に展開。MF北岡慧悟(3年の突破からの右クロスはGKが弾いたが、こぼれ球を詰めたのはかけ上がった樋口だった。

 後半は速さのある福知山成美の攻撃陣に手を焼いたが、最後まで集中を切らさず、シャットアウトし、1点を守り切って勝利。「これまで去年の選手権予選、総体予選決勝、近畿大会と全て決勝で負けてきた。悔しい思いをしたので集大成として絶対勝ちたかった」。2度目の全国への思いは強かった。

 梁相弘監督が「キャプテンを中心にしゃべるようになって、チームが纏まっていった」と話したように彼の力の功績は大きい。「意思ある所に道はある」。京都代表として挑む全国の舞台。「去年、久御山さんが準優勝している。今年の京都は弱いと言われないように、京都代表として一戦一戦戦いたいです」。旋風を巻き起こした前年の久御山と同じ道を歩めるか?集団の先頭に彼の存在は欠かせない。

(取材・文 森田将義)

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