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[MOM513]清水商MF風間宏矢(3年)_風間Jrが静岡MVPとして悲願の全国へ

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.27 第90回全国高校選手権静岡県大会決勝 静岡学園0-3清水商 アウスタ]

 MF小野伸二らが背負ってきた伝統のエースナンバーが地元・清水の日本平で輝いた。清水商のエースナンバー「8」を背負うのは元日本代表MF八宏氏を父に持つMF風間宏矢主将(3年)。小学生時代から注目を集めてきたU-18日本代表候補のアタッカーが、名門にとって11年ぶりとなる選手権全国切符獲得の立て役者だった。

 全国進出をかけた大一番で1ゴール2アシストの大暴れ。勝負を決定付けるゴールを決めたのは後半16分だった。敵陣中央からドリブルで独走した背番号8がDFを振り切って右足シュートをゴールへと流し込む。それまで決定機を活かすことのできていなかった風間は右手を握り締めてジャンプ。そしてタッチライン際まで出迎えた控え選手たちの輪に飛び込むと、手荒い祝福を受けていた。

「PAの中では絶対に倒れないことを意識している」という風間。その攻撃力は間違いなく選手権で注目を集めることになるだろう。前半28分、風間はインターセプトしたMF川尻卓のスルーパスに反応するとスライディングタックルに来た全国総体優秀選手のCB木本泰生をかわして縦へと切れ込む。「最初はシュートを打とうと思った」風間だが、フォローに走りこんだ川尻の姿を確認するとDFを十分にひきつけてラストパス。川尻は「決めるだけだった」と左足で先制ゴールを流し込んだ。さらに40分、風間は左スローインから左サイドで仕掛けると「遠藤が中にいるのは分かっていた。少し高いボールを入れれば競り勝つと思っていた」と絶妙なクロスボール。これをDF間に入り込んだMF遠藤維也が頭で難なく押し込んだ。

 ゴールハンターとしてもパサーとしても高校トップレベル。特にシュートセンスの高さは必見だが、PAでは「どんなことをしても仕留める」という力強さがある。決してスピードのある選手ではないが、パワフルで巧みなコース取りをするドリブルと一撃必殺の高精度FKも備えるだけに、全国大会ではMFながら得点王を手中にする可能性もある。

 王国・静岡の最優秀選手として臨む全国大会。ただ風間は「仲間が頑張ってくれた。自分が『もってる』のではなくてチームが『もってた』。まだまだチームメートに助けられた」と気を緩めることはない。より自らを高めて期待通りのパフォーマンスをして見せるだけ。高校卒業後、欧州へ旅立つことも噂されるが、注目の風間Jrがまずは初めて臨む選手権でその実力を日本中に示す。

(取材・文 吉田太郎)
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