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[MOM517]三菱養和SCユースGK駒崎峻(3年)_公式戦初先発の守護神が完封!!

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高円宮杯U-18サッカーリーグ2011 プレミアリーグ イースト
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.11 高円宮杯プレミアリーグイースト第18節 東京Vユース 0-1三菱養和SCユース 駒沢第2]

 今季公式戦初先発の守護神がチームのために奮闘みせた。三菱養和SCユースは東京ヴェルディユースに1-0で勝利し、高円宮杯プレミアリーグ残留を果たした。攻撃陣に世代別代表選手の揃う東京Vを相手に完封を達成。そんなチームを一番後ろから支え続けていたのはGK駒崎峻(3年)だった。

 この日の試合後、生方修司監督は公式戦初先発の駒崎を起用した理由について「アイツでやられたらいいというくらい、縁の下の力持ちというか、本当にいい男なんです」と話し、「最終戦はどんな状況でもアイツでいくと決めていました」と明かした。これまで三菱養和のゴールマウスを守っていたのはGK永井堅梧(2年)だったが、最終戦となった今節で駒崎を抜擢。指揮官は「(先発といわれて)本人は驚いたんじゃないか」と話したが、駒崎は「毎試合、自分は先発するつもりでやっていたので、準備はできていました」とキッパリ話した。

 今節にかける思いは、並々ならぬものがあった。「自分は小学校4年生の時から養和にいて、何も貢献できずにきていた。最後に何かやらなきゃと思っていた」。そして迎えた最終節で先発に抜擢。いつもならば緊張するが、この日は一切緊張せず。「何でかわからないが自信をもって試合に臨めました」と駒崎は言う。

 後半立ち上がりには、左クロスを入れられ、これを止めようと飛び込むと、走りこんできたFW高木大輔とゴール前で交錯。互いに危険を省みず、果敢に飛び込んでいったため、駒崎の腹部に高木のスパイクが入るシーンもあった。それでも痛みをこらえながらプレー。終了間際の怒涛の攻撃も耐えしのんだ。

 1点のリードで試合は進んでいたため、「早く終わってくれと思っていて、10分間が本当に長かった」。それでも1-0で試合は終了し、完封を達成。試合終了のホイッスルと同時に、一目散にベンチ前へ走り出すと、尊敬する杉尾一憲GKコーチに抱きついた。そして、ピッチ上の誰よりも大きな声で嗚咽をあげながら、歓喜の涙を流した。まさに小学校4年生から養和で培ってきたものが、報われた瞬間だった。

 試合後には「こういうのもおかしいんですけど、(勝てると)信じるしかなかったから、信じてやってきた。だから試合前から残留するって分かってました。勝って後輩のためにも残留したいと思っていたので良かった」と笑顔をみせた。縁の下で踏ん張り続けた守護神が引退試合で大きな大きな花を咲かせた。

(取材・文 片岡涼)

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