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[クラブW杯]酒井が痛み止め飲んで120分間フル出場、「自然に足が動いた。メディカルの人に感謝したい」

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[12.11 クラブW杯準々決勝 柏1-1(PK4-3)モンテレイ 豊田ス]

 痛みに耐えて120分間、フルに走り続けた。開幕戦で負った左膝痛のため出場が危ぶまれた柏レイソルのDF酒井宏樹が、フル出場で勝利に貢献した。両足をつらせながらも、背番号「4」は最後まで戦い抜いた。

「ほっとしましたし、次にまたいけるということで幸せな気持ちです。ほんと、試合に出られるようメディカルの人が治してくれた。正直、超痛かったんで、今日できるようにしてくれたことに感謝しています」

 8日のオークランド(ニュージーランド)戦で左膝の内側の靭帯を負傷。この2日間、ほとんど練習はできなかった。9日は病院で検査と治療を受け、10日はランニングだけだった。先発出場は当日に決まった。この日の午前中に控え組だけで行った軽めのトレーニングに酒井も参加し、患部を最終確認。ネルシーニョ監督と相談して先発することが決まった。

 だが当然、完治はしていない。痛み止めを飲んで試合に挑んだ。「試合に入ると問題なかった。(厳しかったのは)練習で、監督の審査を通るまで、そこまでですね。薬が効いてくれたので良かった」と痛み止めとアドレナリンが痛みを抑えたという。当初は「前半だけでもいいかなという思いで入った。コウキ(水野)くんもいるんで」とフル出場は厳しいと考えていたが、怪我人とは思えないようなプレーで120分間走り続けた。

 後半29分には左足をつらせてピッチの外に出るなど心配させたが、交代はしなかった。やっとつかんだ世界舞台。たとえ足が痛くても、走れなくなるまでプレーしたかった。「自然に足が動いた。前半は相手が前から来たけど、耐えられた。いつか落ちると思ってやっていた。粘り強い? レイソルらしさが出た」と笑顔ものぞかせた。

 次は、オファーを受けたサントスとの対戦となる。「いいチームだというのを見せるために頑張りたい。ほんと、強いチームだというのを見せたい」と酒井。すでに柏残留を表明したが、サントス側からすればブラジルの名門だけに「なぜ、断るの?」と思っているはず。酒井はレイソルに誇りを持っており、柏をサントスに負けない良いチームだと証明したい気持ちがある。再び中2日の強行日程だが、不屈の精神力で立ち向かう。

(取材・文 近藤安弘)

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