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[クラブW杯]バルサが4発発進!!18日ファイナルでサントスと激突へ

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[12.15 クラブW杯準決勝 アルサッド0-4バルセロナ 横浜]

 クラブW杯は15日、準決勝を行い、欧州王者のバルセロナ(スペイン)がアジア代表のアルサッド(カタール)に4-0で快勝し、決勝進出を決めた。右SBのDFアドリアーノ・コレイアが前半に2得点。後半に入っても19分にMFセイドゥ・ケイタ、同36分には途中出場のDFマクスウェルが加点した。初戦を4得点の完勝で制したバルセロナ。18日の決勝では、2大会ぶり2度目の世界一のタイトルを懸け、南米代表のサントス(ブラジル)と対戦する。

 アルサッドは準々決勝のエスペランス戦(2-1)と同じ先発メンバーで臨んだが、システムを4-3-3から5バックに変更。最終ラインの中央には元鹿島のDFイ・ジョンスが入り、攻撃陣は右からカデル・ケイタ、FWニアン、FWハルファン・イブラヒムと並んだ。
 バルセロナは10日に行われたレアル・マドリーとのクラシコから先発6人を入れ替えた。システムは4-3-3で、GKバルデス、4バックは右からアドリアーノ、プジョルマスチェラーノアビダル。中盤はセイドゥ・ケイタがアンカーに入り、右前にチアゴ・アルカンタラ、左前にイニエスタが位置し、前線は右からメッシダビド・ビジャペドロの3トップだった。
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 立ち上がりから圧倒的なボールポゼッションで中盤を支配するバルセロナ。まるでハーフコートゲームのように試合は進んだが、5バックで守備を固めるアルサッドの堅守をなかなかこじ開けられない。中盤でボールは回ってもゴール前にスペースはなく、メッシらが個人技で打開を図るも、分厚い壁に跳ね返された。

 前半18分、アブドゥルマジェドのクリアボールがバルセロナの選手に当たって跳ね返り、ゴール前のビジャに渡るが、シュートはGKがセーブ。同21分、中盤でルーズボールを拾ったメッシが左足でミドルシュートを狙うも、DFの体を張ったブロックに阻まれた。

 粘り強くバルセロナの猛攻に耐えていたアルサッドだったが、まさかの形で先制点を許してしまう。前半25分、イニエスタが左サイドに展開。ペドロが右足に持ち替えてクロスを上げると、逆サイドまで流れてきたボールをDFベルハジが足でGKにバックパス。手でボールを扱えないGKサクルが処理にもたつく間にアドリアーノが猛然と詰め、ゴールに押し込んだ。

 待望の先制点を奪ったバルセロナはその後も一方的に試合を運ぶ。前半34分、イニエスタの強烈なミドルシュートをGKが弾き、ビジャが右足で押し込み、ゴールネットを揺らすが、これはオフサイドの判定だった。同36分にはイニエスタからのロングフィードに反応したビジャがDFと競り合いながらPA内に走り込み、シュートを狙うが、DFともつれ合って転倒。このプレーで左足首を痛めたビジャはそのまま担架で運び出され、ロッカールームへ。同39分、代わってFWアレクシス・サンチェスがピッチに入った。

 思わぬアクシデントに見舞われたバルセロナだが、前半43分、ワンツーの形でチアゴからのスルーパスに走り込んだアドリアーノが右サイドから中に切れ込む。右45度の角度から左足を振り抜くと、これがきれいにゴール左隅に吸い込まれた。

 2点ビハインドとなったアルサッドは前半45分、ロングボールを受けたカデル・ケイタがマスチェラーノをかわして個人技でゴール前まで持ち込み、右足でシュート。ボールは大きく上に外れたが、ようやく生まれた初シュートにスタンドからは大きな拍手も起きた。ロスタイムには左45度の位置でFKを獲得するが、ニアンのキックは壁に当たってしまう。結局、前半はバルセロナの2点リードで終了。ボール支配率は71%対29%と、まさにワンサイドゲームだった。

 両チームに選手交代なく折り返した後半も前半と同様の展開が続いた。バルセロナが攻め、アルサッドが守る。後半6分、イニエスタの浮き球のスルーパスに反応したメッシのトラップはハンドを取られ、同10分にはメッシがDFに囲まれながら左足でシュートを狙うが、ボールはDFに当たってゴールラインを割った。このプレーで獲得したCK。チアゴの右CKにプジョルが頭で合わせるも枠を外れ、同18分、メッシが左足で直接狙ったFKもGKの好セーブに阻まれた。

 3点目が決まったのは後半19分。中央でボールを受けたメッシからの絶妙なスルーパスにセイドゥ・ケイタがPA内右に抜け出すと、GKとの1対1から冷静に左足アウトサイドでゴールに流し込んだ。3-0とリードを広げたバルセロナ。同21分にはメッシがオーバーヘッドでゴールを狙い、場内を沸かせた。

 バルセロナは後半21分、アビダルに代えてDFマクスウェル、同26分にはサンチェスに代えてFWイサク・クエンカを投入し、交代枠を使い切る。右のアドリアーノ、左のクエンカを高い位置に押し出し、プジョル、マスチェラーノ、マクスウェルの3バック。前線ではメッシとペドロが中央で2トップ気味に張り、さらに追加点を狙った。

 すると後半36分、FKからマクスウェルが素早くリスタートし、一気にゴール前に駆け上がる。チアゴとワンツーの形でラストパスを受けると、PA内左から左足でニアサイドを破り、ダメ押しの4点目を奪った。

 6万6298人の大観衆の前で圧倒的な実力差を見せ付けたバルセロナ。後半の被シュートはゼロと、4-0のまま危なげなく試合を締めくくった。18日の決勝ではFWネイマールを擁するサントスと激突。敗れたアルサッドは18日の3位決定戦に回り、Jリーグ王者の柏レイソルと対戦する。


[写真]3点目のアシストを決めて笑顔のメッシ

(取材・文 西山紘平)

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