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[クラブW杯]シュート2本のアルサッド監督「勝つ可能性は元々少なかった」

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[12.15 クラブW杯準決勝 アルサッド0-4バルセロナ 横浜]

 準々決勝でアフリカ代表のエスペランスを2-1で下し、準決勝に進んできたアジアチャンピオンのアルサッドだが、バルセロナの前では文字通り手も足も出ないといった状態。シュート2本、ボールポゼッション28%という散々な内容で、牙を見せる場面すらなく、あっさりと敗れ去った。

 10人が自陣深くに均等に、コンパクトに並び、ゴール前のスペースを消す。一見、固い守備ブロックを敷いているかのようにも見えたが、それは目の錯覚だった。相手にボールを回されてもバランスを崩すことを極端に恐れているようで、選手は左右へわずかにスライドするだけ。ラインも低く、バルセロナの72%のボールポゼッションのほとんどがアルサッドのペナルティーエリア付近でのパス回しだった。

 ラインの低さがあだとなったのは前半25分に先制された場面だ。アビダルのクロスをDFベルハジが右足でトラップしてGKにバックパスしたのだが、2人の距離はわずか1mほど。手を使えないGKモハメドが慌てふためいて中途半端な処理をしたところへアドリアーノに詰められ、ミスから先制を許した。

 フォサッティ監督は「バルサ相手に、してはいけないエラーをした。誰も負けることを望んではいない。だが、バルサ相手には仕方ないことだった。勝つ可能性は元々少なかった」と力なく言った。

 個の力でも組織でもバルセロナに勝る要素はほとんどない。それは事実だ。そこにミスが加われば、「何か」を起こす可能性はさらに下がる。
 
「このような大会で準決勝まで来るのは簡単ではない。ここで経験を積めたことは大きいし、監督としてとてもハッピーだ」。フォサッティ監督はそう話したが、失点をした後も攻め気を見せず、守備の粘りもなく大量4失点。後半のシュートが0本だったのは、アジア代表のサッカーとしては残念な姿だった。

(取材・文 矢内由美子)

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