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[クラブW杯]サッカーの常識を覆すバルサスタイル、「ブラジルで3-7-0をやったら警察に呼ばれる」

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[12.18 クラブW杯決勝 サントス0-4バルセロナ 横浜]

 サッカー王国の常識をも覆す革新的なスタイルが、今季のバルセロナを象徴している。MFセスクの加入に伴い、導入した3バックのシステムは、4バックが主流の現代サッカーにおいて異質でもある。サントスとの決勝で採用したシステムも3-5-2。前線にはセスクとFWメッシを配置した。

 ストライカーと呼べる選手がメッシしかいないメンバー構成をサントスのラマーリョ監督は「3-7-0のシステム」と評した。でありながら攻撃的なバルセロナのスタイル。「そういうやり方があるのは知っているが、ブラジルでは許されない。3-7-0のシステムをブラジルでやったらとんでもないことになる。警察に呼ばれるか、サッカーを勉強し直せと言われるだろう」と、皮肉交じりに語った。

「ブラジルでは2トップだから攻撃的と言われる。バルセロナを見れば、3人のアタッカーがいなくてもオフェンシブにできることが証明された。3バックだったら不可能だとか、FWがいなかったら不可能だとか、そんなことはない。それは勉強になったし、皆さんも勉強になったと思う」

 これがサッカーの新たな潮流になるのか、それともバルセロナだからできるのか。グアルディオラ監督は記者会見でラマーリョ監督のコメントを伝え聞き、「3-7-0? よく分からない。それはただの数字の羅列ですよね?」と意に介さなかった。システムありきではなく、選手ありきでチームを構築してきた指揮官。選手の力を最大限に引き出し、チームとして最高のパフォーマンスを見せることを追求し続けた結果、たどり着いた結論が、世界一という“答え”になって返ってきただけだったのかもしれない。

(取材・文 西山紘平)

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