beacon

[大学選手権]仙台入りの奥埜は好機生かせず、「あそこで決められるかどうかで…」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[12.23 全日本大学選手権準々決勝 仙台大0-3(延長)明治大 足利]

 1点の重み、決め切る力の大事さを思い知らされた大学ラストゲームだった。来季のベガルタ仙台入りが内定している仙台大のFW奥埜博亮(4年=仙台ユース)は延長戦の末、明治大に敗れた準々決勝を終え、手応えと課題を口にした。

「下の学年の選手も試合に出ながら、全国でも自分たちのプレーが通用する、戦えるということが分かった。来年以降に向けて、後輩たちにとって今後につながる試合だったと思う」。高知大との1回戦で4年ぶりのインカレ勝利を挙げ、準々決勝では関東の強豪・明治大をあと一歩まで追い詰めた。特に後半の35分過ぎからは完全に仙台大ペース。再三の好機を生かせていれば、結果は違ったものになっていてもおかしくなかった。

 だが、だからこそ悔いも残った。後半38分、PA内でこぼれ球を拾った奥埜のシュートはわずかにゴール左に外れ、その直後にはMF熊谷達也(1年=柏U-18)のミドルシュートがクロスバーを直撃した。「後半の最後にあれだけチャンスがあったのに、あそこで決められるか、決められないかで、勝てるチームかどうかが決まると思う」。紙一重のところで決め切れず、延長前半8分に直接FKを叩き込まれ、先制を許すと、最終的には3失点。地力の差を見せ付けられた。

 98年度大会以来、13大会ぶりの4強入りはならなかったが、十分に仙台大、そして自分自身の存在感を見せることができた。次なる戦いの舞台はJリーグ。仙台ユース出身の奥埜にとって、5年ぶりの“古巣”復帰となる。「大学サッカーは終わったけど、ここからいい準備をすることが大事。大卒選手は即戦力として考えられるし、試合に絡まないと意味がない。まずは試合に絡むことが目標です」と、すぐに気持ちを切り替えていた。

 ユースからトップチームへ昇格することができなかった奥埜だが、仙台大2年時から3年連続で仙台の特別指定選手となり、今年6月には来季の新加入が内定。一度はプロへの夢を断たれたクラブからのオファーに「複雑な気持ちもあった」と言うが、「やっぱりうれしい気持ちの方が大きかった」と素直に喜んだ。

「最初は大学の4年間は長いなと思っていたけど、4年生になったらあっという間だった。高卒でプロに行っていたら経験できないことも経験できた。人とのかかわりだったり、いろんな人に出会って、いろんなことを学べた」。大学の4年間で、サッカー選手としても、人間としても、ひと回りもふた回りも大きくなったという奥埜。そのことをプロのピッチで証明していくだけだ。


▼関連リンク
第60回全日本大学選手権

TOP