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[MOM526]奈良育英三國純(3年)_電光石火のカウンターループ!?

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.31 全国高校選手権1回戦 帝京大可児0-3奈良育英 等々力]

「前からプレッシャーをかけていくと監督から言われていました。とばしすぎて、最後は足がつってしまいましたが、60~70%の力でやろうとするなと、交替選手がいるのだから、100%でやれ、と言われていました」
 全国の舞台、しかも初戦で会心の2ゴールを挙げた奈良育英のMF三國純(3年)。FW黄山晃宏(3年)も奈良育英快勝の立役者といえる獅子奮迅の活躍を見せたが、数あるチャンスの中、2ゴールときっちり結果を出した三國の果たした役割は大きかった。

 1点目は黄山のミドルシュートを相手DFが弾いたこぼれ球から。「たまたま」目の前に転がってきた。傍から見れば“美味しい”ゴールだが、仲間にもたらした安堵感ははかりしれない。上間政彦監督も言う。「選手の硬さが取れたのは1点目が大きい。勝つときはああいうシーンに(こぼれ球の先に)いるものだ」

 そしてダメ押しとなるチーム3点目、三國にとってこの試合2点目のゴールも大きかった。
「課題は決めきれるところで決めきれなかったこと。もし3点目を取れずに1点返されたら流れは大きく変わっていたハズ」
 後半34分、攻勢をより強める帝京大可児。その勢いを止め、カウンターのボールが三國に渡る。ゴール前までイッキにドリブルをしかけるかと思いきや、突然ループシュートを選択。
「GKが前に出ていたので。ループは得意なので打った瞬間入ると思った」
 DFが横についていながらGKの位置も確かめる。そしてロングレンジからの正確なループシュート。スピードと冷静さという相異なる要素が交わっての見事なゴールだった。

「前の選手が裏に抜け出てくれたのでスペースができて、サイドがいきた。チームが勝てればいいです」
チームが掲げる「全員守備、全員攻撃」、その精神が浸透していると感じさせる。ゴールという結果は、流れの中から形作られていくもの。三國のプレーから、奈良育英が目指すサッカーを垣間見た気がした。

[写真]奈良育英・三國は2ゴールの大暴れ
(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文/伊藤亮)


【特設】高校選手権2011

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