[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.31 全国高校選手権1回戦 星稜1-3米子北 ニッパ球]

　前線のキーマンが2得点と躍動した。米子北のFW小笹晃(3年)は前線で果敢なチェイシングを見せ、攻撃では起点もフォロー役もこなし、積極的にボールに絡んだ。「足は速くない。中学のときはドリブルが得意だったけど、今ではそれほどでもない。身長もない」と控えめに話す主将だが、攻守にわたって休みなく動き続けて勝利に大きく貢献。試合終盤は足をつらせたが、フル出場を果たして意地を見せた。

　後半13分に決めた2点目は、鋭角のシュートが相手に当たって入ったものだったが、36分の3点目は頭から飛び込むダイビングヘッドで豪快に決めた。「サイドのパス交換から中に入って行く動きができた。真木(基希)がシュートを打つというのは分かっていたので、イメージ通りだった」とクロスバーの跳ね返りにいち早く反応した得点シーンを振り返った。

　バルセロナを模範としたパスサッカーが全盛の中、米子北の堅守速攻スタイルは異質の光を放つ。小笹は「見ている人には面白くないと言われちゃうかもしれないけど、僕たちは勝利にこだわってやっている。攻撃面ではパス交換で崩していくところがあるし、持ち味を出せるスタイルだと思っている。全員守備、全員攻撃がテーマ」と話し、献身的なスタイルを支えるチームメートの奮闘に主将として胸を張った。

　米子北は7度目の出場で悲願の初勝利。歴史を変えたキャプテンは「まず目標は初戦突破だったけど、一つ勝てたら国立を目指そうと言っていた」と次なる目標を掲げた。

[写真]前線からチームを引っ張った米子北の小笹
(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文　平野貴也)

---

▼関連リンク
【特設】高校選手権2011