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F東京が天皇杯初VでJ2との2冠達成!!来季J1復帰1年目で初のACL出場へ

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[1.1 天皇杯決勝 京都2-4F東京 国立]

 FC東京が天皇杯初戴冠!! 第91回天皇杯全日本サッカー選手権は1日、東京・国立競技場で決勝を行い、初の決勝進出で初優勝を目指すFC東京と、02年度以来9大会ぶりの頂点を狙う京都サンガF.C.が対戦。F東京が4-2の快勝で初優勝を飾り、J2との2冠を達成するとともに、来季のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場権を獲得した。
 試合は前半13分にMF中山博貴のゴールで京都が先制したが、F東京も同15分にDF今野泰幸が同点弾。同36分にDF森重真人のゴールで勝ち越すと、FWルーカスが前半42分、後半21分にゴールを決め、4-1と突き放した。粘る京都も後半26分に途中出場のFW久保裕也が1点を返したが、9大会ぶりの優勝はならなかった。

 京都は出場停止明けのMFチョン・ウヨンがボランチに入る4-4-2のシステム。DF秋本倫孝が出場停止のためDF安藤淳がCBに入り、準決勝・横浜FM戦はボランチで先発したDF加藤弘堅が右SBに下がった。
 F東京は4-2-3-1のシステムで、準決勝・C大阪戦からメンバーの変更はなかった。
[スタメン&布陣はコチラ]

 今季のJ2で優勝し、来季からのJ1昇格を決めているF東京と、今季J2で7位の京都。史上初のJ2クラブ同士の対決となった元日決戦は、立ち上がりからF東京がエンジン全開で京都陣内に攻め込んだ。前半1分、ルーカスが左サイドから中に切れ込み、右足でミドルシュート。同3分にもMF羽生直剛のスルーパスにMF石川直宏が快足を飛ばして追いつき、右サイド角度のない位置からシュートを狙った。いずれもGKのセーブに阻まれたが、序盤から果敢にフィニッシュまでつなげた。

 しかし、先制したのは京都だった。前半13分、中盤のルーズボールを拾ったFWドゥトラがドリブルで仕掛けると、ボールはチェックに来たDF徳永悠平の足に当たってこぼれる。これがフリーの中山に渡り、GKとの1対1から冷静に右足でゴールに流し込んだ。

 優勢に試合を進めながら不運な形でリードを許したF東京だったが、直後に同点に追いつく。前半15分、左CKからショートコーナーでつなぎ、石川が右足でクロス。これに今野がDFに競り勝ち、ヘディングシュートをねじ込んだ。

 序盤から点の取り合いとなった一戦はさらに激しさを増す。京都は前半22分、MF工藤浩平が中山とのワンツーから左足ミドルを放つが、ゴール上へ。両チームともにゴールまでのスピードが速く、一進一退の攻防となったが、徐々にF東京が流れを引き寄せていく。

 前半36分、右45度、ゴールまで約30mの位置でFKを獲得すると、石川が軽く横に流し、森重が右足一閃。豪快なブレ球シュートがゴール右上に突き刺さり、2-1と逆転に成功した。

 勢いづくF東京は前半42分、石川の右CKを今野が頭で落とし、ルーカスがオーバーヘッドで狙う。これはゴール上に外れたが、直後に3点目が生まれた。相手ゴールキックをMF高橋秀人がヘディングで跳ね返すと、これが絶好のラストパスとなり、ゴール前のスペースに抜け出したルーカスが落ち着いて右足でシュート。3-1と突き放し、前半を折り返した。

 早めに1点を返したい京都は後半9分、ドゥトラに代えて準決勝で決勝点を決めた18歳のFW久保裕也を投入。さらに同13分にもMF中村充孝を下げ、19歳のMF駒井善成を送り込んだ。前線は久保とFW宮吉拓実の10代2トップ。駒井は中盤の左サイドに入り、中山が中央に移った。

 攻勢を強める京都だが、後半14分、ゴール前の混戦から工藤が狙ったシュートはGKの正面。同20分にはDF福村貴幸の左クロスを中山がオーバーヘッドで狙ったが、枠は捉え切れなかった。

 するとF東京は後半21分、カウンターからDF椋原健太が左サイドを突破。グラウンダーの折り返しに走り込んだルーカスは福村のスライディングタックルをかわすと、左サイド角度のない位置から左足でゴール右隅へ流し込み、4-1と試合を決定づけた。

 3点ビハインドとなった京都だが、最後まであきらめない。後半25分、チョン・ウヨンの直接FKはGK権田修一のビッグセーブに阻まれたが、このプレーで右CKを獲得。チョン・ウヨンの正確なキックにファーサイドから走り込んだ久保がヘディングでねじ込み、2-4と再び2点差に追い上げた。

 F東京は後半26分、羽生に代わってFW鈴木達也、MF谷澤達也に代わってFWロベルト・セザーがピッチへ。フレッシュな選手に入れ替え、さらに追加点を狙った。京都は同31分、加藤に代えて19歳のDF下畠翔吾を投入。交代枠を使い切って最後の反撃を狙ったが、F東京も最後まで運動量と集中力を切らすことなく、そのまま4-2で逃げ切り、初の頂点へ上り詰めた。

(取材・文 西山紘平)

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