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[MOM536]済美FW藤本佳希(3年)_"ボールを受けたらルーニー、裏に抜けたらロナウド"のFWが2発!!

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権1回戦 済美4-0新潟西 駒沢]

 プリンスリーグ四国得点王の済美FW藤本佳希(3年)が全国の舞台で、その実力を示してみせた。開始約45秒で鮮やかなループシュートを決めると、後半4分には左サイドからドリブルで持ち込みシュート。2点を決める活躍で済美を初の全国16強へ導いた。

 ファーストタッチでの先制点には「相手のラインが高かったので狙ってました」とコメント。「県の決勝でも開始40秒で点が取れて、きょうも取れて、不思議な感じ。でも次には期待せんといてください!!」と笑顔をみせた。初戦の東久留米総合戦は1-1でもつれ込んだPK戦の末に、PK5-4で勝利。自身はマンマークされると、緊張からの堅さもあり、思うようなプレーができなかった。しかし、今試合では持ち味を存分に発揮。指揮官も「初戦と比べると動けていたし、スピードに乗ったプレーが出ていた。ああいったプレーをやってくれれば」と今後の活躍にさらに期待を寄せた。

 藤本は練習などでは「ボールを受けたときはFWルーニーのイメージ。裏に抜けたときや勝負どころでのトップスピードなどは元ブラジル代表のFWロナウドをイメージしてます」という。それでも、この日のゴールシーンについては「あれは自分のイメージでした」とハニかんだ。

 中学1年生までは愛媛FCのジュニアユースに所属していた。しかし、鎖骨や手の骨折など故障が絶えなかったこともあり、1年生時の途中で退団。地元の久米中でサッカーを続けた。当時については「久米中で自由にやらせてもらっていたのが、今につながっていると思う。あのときの選択は後悔してない」とキッパリ話す。中学1年生当時は、150cmしかなかった身長も中学2、3年で165cmまでに成長。本人の「不思議なもんやなぁ」という言葉通り、今では178cmにまで成長した。身体が小さかったときに、毎日重ねてきた体幹トレーニングの成果もあり、今ではフィジカルも、ひとつの大きな武器となっている。

 高校卒業後は関東の強豪・明治大に進学予定だ。「明治大はかなり走るチームなので。自分は走るのが好きではないが、わざとそういうチームに身を置いて、鍛えていきたい。そういう部分を追及しないと、これから先やっていけないと思っている。今の環境ではなく、一度はそういうところで潰れて、鍛えていかないと」と自身の理想とする姿を貪欲に追求する。

 もちろん先々の夢は「プロになりたいと思ってます」。そのためにも、まずは「あす勝てば、今度はベスト8。済美初の3回戦進出は実感がないが、こうやって歴史をつくっていかないと」と力を込めた。四国でゴールを量産してきたストライカーが済美の歴史をさらに塗り替えるつもりでいる。

(取材・文 片岡涼)

[写真]2得点で勝利に貢献したFW藤本佳希(3年)

(写真『高校サッカー年鑑』)

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