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[選手権]風間主将が直接FK&2点を演出、清水商が6発勝利!!8強入りをかけて市立船橋と激突

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[1.2 全国高校選手権1回戦 清水商6-0山陽 駒沢]

 第90回全国高校サッカー選手権は2日、各地で2回戦を行った。東京・駒沢陸上競技場で行われた第2試合では、全国優勝3回の名門・清水商(静岡)が山陽(広島)と対戦。清水商がFW風間宏矢主将(3年)の直接FKなどで、6-0の快勝を収めた。あす3日に行われる3回戦では、全国8強をかけて市立船橋(千葉)と対戦する。

 激しい風が吹き荒れる中での一戦では、山陽が風上を選択。清水商の大瀧雅良監督は「風下が好きか嫌いかと言われたら好き。風上だとボールが流れて行ってしまうが、風下だとボールが入っていける」と話したが、風間主将は「初めの方は攻撃が厳しくなるな」と感じたという。

しかし開始8分、早くも清水商が先制に成功した。DF小山祥生(2年)が蹴り込んだボールが相手GKとDFの間に落ち、走り込んだFW佐野翼(2年)が競り勝つと、1対1を冷静に決めた。佐野はこのゴールに「開始早々、自分の裏に抜ける動きだしで取れてよかった」と笑顔。指揮官も「佐野が点を取れたことは大きい。ああいうところで力を出せていったら、脅威となる選手になれる」と前線で体を張ったストライカーを称賛していた。

 さらに前半11分にはオウンゴールで追加点。相手DFがバックパスをミス。これが山陽GK大浦翔太(3年)の逆を突く形となり、ボールはゴールネットへ吸い込まれた。その後も清水商が終始ゲームの主導権を握り、山陽に1本のシュートも許さず、前半を2-0で折り返した。

 そして風上に立った後半にも、その勢いは止まらない。まずは後半2分、MF遠藤維也(3年)が右サイドからアーリークロス。これにMF中田智樹(3年)が合わせて左足でダイレクトボレー。これまで中に走り込むことはなかったMFの「無意識でした。久しぶりに中に入ったら、上手くボールがきた」というシュートで、早くも3点差にリードを広げた。

 さらに4分後の後半6分には風間がみせる。PA外ゴール正面でのFK。やや距離のある位置だったが「風もあったし、ちょうどよかった」と右足で蹴り込むと、鮮やかな軌道を描いたボールは、ゴール右上へ吸い込まれた。ここからは風間の独壇場。後半7分には、右サイドスローインからのボールを受けると、右足でミドルシュート。これはクロスバーに当たり、跳ね返りがポスト右に弾かれたが、詰めていた途中出場のMF吉田雄介(2年)がヘディングシュート。5点目を押し込んだ。

 その後もスピードに乗ったサイド攻撃や緻密なパスワークで相手陣内へ切れ込んでいく。すると後半18分、風間の直接FKはまたもクロスバーに弾かれたが、跳ね返りを今度は中田が頭で押し込み、6-0。大量6得点にも、守備陣は最後まで気を緩ませることなく奮闘をみせ、そのまま試合は終了。2戦連続の完封勝利を収めた。

 一方の山陽は、後半の1本しかシュートを打たせてもらえず。清水商に16本のシュートを許すと、6失点大敗を喫した。ワントップを務めたFW萬代翼(3年)がドリブルで果敢に攻め込んだが、シュートまでは持ち込めず終戦となった。

 あす3日に行われる試合で清水商は、選手権4回優勝の市立船橋と全国8強をかけて激突する。指揮官は「毎年本当なら2回か3回はやっているが、今年はたまたま試合をしていない。例年、サイドに早い子がいて、守備をしっかりと固めてくる。どういう形でプレスをこじ開けるか。これから考えたい」とあすの決戦を見据え、風間主将は「やったことがないので、見たこともないが、強いのは分かっている。いつも通りにやっていきたい」と力を込めた。静岡の名門・清水商が11年ぶりの選手権で大一番を迎える。

(写真提供『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 片岡涼)
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