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[MOM540]矢板中央MF田畑喜行(3年)_昨年の“挫折”バネに先制ゴールを叩き出す

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権2回戦 矢板中央2-0高川学園 NACK]

 矢板中央は前半事前スカウティングと違う形で戦ってきた高川学園の攻撃に手こずったが、中盤で攻守にハードワークし、先制ゴールを挙げたMF田畑善行(3年)の活躍で勝利をつかむことができた。田畑は「長身の選手がみんなファーにいて自分の所には絶対来ないだろうという状況で、ニアに走れば絶対マークが外れると思った。福澤邦人(3年)と目が合ったので、ニアに入れば必ず決められると思って頭を振り抜いた」と会心のゴールを振り返った。

 田畑は昨年の選手権栃木県大会決勝で大きな挫折を経験した。「昨年県大会決勝でキャプテンが骨折して代役で出て延長戦で負けた。今大会への思いは強かったのだろう。良い結果を出してくれた」と矢板中央の高橋健二監督は当時を振り返りつつ、今日のパフォーマンスを賞賛した。「今日は先輩から譲り受けたベンチコートを着て入場した。昨年は自分がキャプテンの代わりに栃木県の決勝のピッチに立ってチームの勝利に貢献できなくて、3年間で一番ショックな出来事だった。今日は結果を出せて、昨年のキャプテンも見てくれていたと思うので、結果を出せて嬉しい」と昨年の“挫折”を乗り越え自身のゴールで勝利に貢献できたことに喜びを隠さなかった。

 現在コンディションは完璧ではない。23日の練習で負傷し「左のふくらはぎを傷めてしまい、練習に参加できなくて、大会前日にやっとフルで練習できた。痛み止めを飲んで試合に出ていた」と語る。「それでも監督が最後まで使い続けてくれたのが嬉しかったので、ゴールを決めた時は監督に抱きついた」と、起用してくれた監督への感謝の思いを口にした。

 3回戦に向けて「自分の持ち味はハードワーク。矢板中央はたくさんの人に応援されているので、そうした人たちのために恩返ししたいし、支えてくれた両親・家族のために明日も結果を出してチームの勝利に貢献したい」と意気込む田畑。強い気持ちとハードワークで3回戦も活躍を期待したい。

(取材・文 小林健志)

[写真]先制点を挙げたMF田畑喜行(3年)

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

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