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[選手権]桐光学園、上昇気配の攻略劇!

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[1.2 全国高校選手権2回戦 米子北1-5桐光学園 等々力]

地元を応援する声を力にかえた桐光学園(神奈川)が米子北(鳥取)を後半に攻略し、5-1と快勝。1月3日に三ツ沢で行われる3回戦に駒を進めた。次戦で尚志(福島)とベスト8をかけて戦う。

試合開始から終了まで、桐光学園のボールポゼッション率の高さが目立った。試合開始早々の4分、MF生部麦(3年)がファーストチャンスをきっちりゴールに結びつけ先制するとリズムに乗る。小気味のいいパス回しでゲームを終始リード。サイドから中央から次々とゴールに迫る。

出鼻をくじかれる形となった米子北は、ピンチをしのぎながら本来の形を少しずつ取り戻していき、前半も30分にかかろうかというあたりから、受身でありつつも攻め込むシーンが見られるように。特に右SBのDF竹内修(1年)が思い切りのよいプレーで桐光守備陣に風穴を開ける。
そして35分、その竹内のインターセプトからのセンタリングをFW真木基希(3年)が絶妙のヘディングシュートであわせ同点。桐光ペースだが同点に追いついた米子北。試合の行方がわからなくなっての前半終了だった。

注目の後半、きっちりと相手を攻略してみせたのは桐光学園だった。
「サイドをトップ以外の選手で崩す指示をハーフタイムにした」(桐光・佐熊裕和監督)とおり、サイドからの正確なセンタリングが相手ゴール前に供給される。
後半8分のFW三荷淳也(3年)は左SB三浦凌(3年)から、続く15分のFW佐野弘樹(3年)は右SB大田隼輔(2年)からのセンタリングを頭で合わせたもの。サイドをえぐることで中央のDFの集中力を分散させる。ともにフリーの状態からの完璧なゴールだった。

「最後まで自分たちのサッカーができなかった。初戦足がつった選手もいたことから、選手交代も(不測の事態を想定して)躊躇した部分があった」
と語るのは米子北の城市徳之監督。7回目の挑戦で初めて初戦を突破した勢いで臨みたかったが、初めて戦う2回戦では初戦とは違うチーム状況に、判断を迷う部分があったことを認めた。
「向こうの速い攻撃がだんだんと効いてきた。トップを使ったシンプルな攻撃にサイドも押し込まれ、こぼれ球もひろえない。2重、3重と攻撃され、ラインをコントロールできなかった。サイドからの攻撃では中の選手がボールウォッチャーになってしまった」。
米子北としては前半のうちに同点に追いつき、その流れで後半に攻勢をしかけたかったところ。だが桐光の、より確実に、そして強固にペースを握る軌道修正に攻守とも押し込まれる形になった。

勢いづいた桐光学園は後半25分に再び右SBの大田からFW三荷がこの試合2点目のゴールを奪い、ロスタイムには相手のバックパスをかっさらった途中出場のFW高橋孝友(3年)がきっちりとゴールを陥れ5-1の快勝。

「最後まで運動量が落ちなかったのはよかった点」(桐光・佐熊監督)
「ほぼ毎日している練習どおりのパターンでのゴール」(桐光FW三荷淳也)

これらのコメントが示すように、攻守にわたり狙い通りに試合を進めた桐光学園。3回戦も地元で行われる「追い風」も加わり、チームは上昇気流に入った感がある。

(写真提供『高校サッカー年鑑』)

(取材・文/伊藤亮)


【特設】高校選手権2011

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