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[選手権]兄・亮が果たせなかった選手権1勝、中京大中京FW宮市剛が涙の初戦突破

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[1.2 全国高校選手権2回戦 中京大中京0-0(PK7-6)作陽 西が丘]

 注目の1年生FW宮市剛(中京大中京)が歓喜の涙を流した。アーセナル(イングランド)のFW宮市亮を兄に持つ宮市は、3年連続出場の中京大中京の1トップとして先発。前半こそ得意の空中戦で相手を上回ることができずに苦しんだが、「後半やってやろうと思っていた。もう少し助走をつけてやろうと思った」と修正した後半は競り合いで奮闘。また後半12分には右サイドへ飛び出してからのピンポイントクロスでMF速水聖矢(1年)の決定的なヘディングシュートを演出し、試合終了間際には右クロスに決定的な形で飛び込む場面もあった。
 
 中京大中京OBの兄は昨年度の初戦で久御山に2-4、一昨年度は初戦で神村学園に2-10と大敗。その兄からは「とにかく勝ってこい」と送りだされた。本人も「去年、一昨年みたいに負けたくない。意地でも勝ちたいという気持ちが強かった」と振り返る。天性のスピードと決定力でゴールを量産した兄とはタイプが違うが、185cmの長身を活かしたポストプレーと前を向いた時の迫力は1年生離れしている。走り込みの成果で後半も体力が落とさずに走り回った宮市は、3人目として登場したPK戦でしっかりと右足シュートをゴール左隅へ流し込む冷静さも見せ付けた。

 チームは過去4大会連続で初戦敗退を喫していただけに勝利の瞬間は特別なものに。先輩達と涙を流して喜び合った。兄の成しえなかった1勝を果たした宮市だが、視線はすでに先を見据えている。「この勢いで国立までいきたい」。名古屋グランパスU15時代の10年12月に国立競技場で開催された高円宮杯全日本ユース(U-15)選手権決勝を制し、日本一に輝いている宮市。3回戦、準々決勝を制して再び国立のピッチに立つ。

(取材・文 吉田太郎)

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