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[選手権]大分が梶谷の2戦連続弾を守りきり、青森山田を下す!!

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[1.3 全国高校選手権3回戦 大分1-0青森山田 埼玉]

 第90回全国高校サッカー選手権は3日、各地で3回戦を行った。埼玉・埼玉スタジアム2002で行われた第2試合では、大分(大分)と青森山田(青森)が対戦。後半17分にMF梶谷充斗(3年)が決めたゴールが決勝点となり、大分が1-0で勝利した。7年ぶり7回目の出場の大分が15年連続17回目の出場を誇る青森山田を撃破。01年度大会のベスト8を上回る4強が目前まで近づいた。5日の準々決勝では市立西宮(兵庫)と対戦する。

 ポゼッションでは大きく上回った青森山田だったが、決定的な場面まで持ち込むことはできず。この日の試合はなかなか見せ場をつくれなかった。バイタルエリアの空いたスペースをついていけばいいものの、サイドからの攻撃がなかなか出せず。バイタルエリア手前で攻撃が停滞。ボールを失うと、中盤からのシュートを打つこともなく、前半はわずか2本のシュートに抑え込まれた。

 対する大分は立ち上がり早々アクシデントに見舞われる。前半16分、接触プレーでFW岡部啓生(2年)が負傷交代。2回戦の浦和東戦(3-1)でゴールを決めたストライカーを欠くことを余儀なくされた。前半は0-0のスコアレスで折り返す。

 そして迎えたハーフタイム。ロッカールームに引き上げる青森山田を横目に、大分はベンチへ集合。「正直な話、ロッカールームは暑い。自分の経験上も、ロッカールームからピッチへ行ったら、寒くなってしまうと思った。偶然にもベンチは風もこなかった。向こうは案の定、後半の最初は寒がっていた。私はそこまで考えているんですよ」と大分の朴英雄監督は明かした。その言葉通り、後半立ち上がりから伸び伸びとプレーする大分イレブンに対し、青森山田の選手たちはなかなか試合に入れない。

 すると後半17分、MF佐保昂兵衛(3年)の右CKをファーサイドのFW藤澤拓(1年)が後ろへ折り返す。詰めていたMF梶谷充斗(3年)が迷わず左足を一閃。このシュートはゴール右へ突き刺さり、大分が先制に成功した。その後も大分がチャンスを演出。同23分にはPA右からMF上野尊光(3年)が放ったシュートはポスト右を叩いた。

 一方の青森山田は、なんとか1点を返そうと奮闘。後半26分には、PA外右からMF差波優人(3年)が圧巻のミドルシュート。しかし、これは相手GK平畠雄貴(3年)の好セーブに阻まれた。試合後、青森山田の黒田剛監督が「今年のチームは2年生が多く、一瞬の体を張る部分など、最後に甘さが出てしまった」と話したように、先発11人中、6人が2年生。若いチームはフィジカルの強い大分を前にひるんでしまった。結局ゴールを奪うことはできずに、試合は終了。大分が1-0で青森山田を下し、準々決勝へ駒を進めた。

 試合後、青森山田の黒田監督は「今までベスト16という所は、多く負けているところで鬼門というか壁だった」と唇を噛み、「相手は高体連の典型的なサッカーをやってくるチームだった。それをいなせるようなチームになれれば。そこまでの技量がなかった」と試合を振り返った。

 初戦では10発快勝、2回戦では3発勝利だった大分だが、今試合でも初戦に続いての完封勝利を達成。3戦1失点と攻撃だけではなく、しっかりと守れるところもみせた。守護神・平畠は「うちのチームはDFの4人と中盤の運動量が多い。その7人が特に頑張ってくれている」とチームメイトの奮闘ぶりに胸を張った。また、朴監督は「最後のロスタイム3分が長かった」と安堵の表情。「ベスト8の経験はあるが、今年もそこまできた。次の試合の準備をしていきたい」と意気込んだ。5日に行われる準々決勝では、過去最高となる4強進出をかけて、市立西宮(兵庫)と対戦する。快進撃をまだまだ続けることはできるか。

(取材・文 片岡涼)
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