beacon

[MOM555]四日市中央工GK中村研吾(1年)_“16歳の仕事人”「2本止めろ!」の任務完了

このエントリーをはてなブックマークに追加

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.3 全国高校選手権3回戦 四日市中央工1-1(PK4-2)立命館宇治 市原]

「監督から『2本止めろ』と言われていた。その仕事をしただけ」。PK戦でシュート2本を止めて名門を8強進出へ導いた16歳はクールに言い放った。四日市中央工の1年生守護神、中村研吾は1-1で突入したPK戦で相手の3人目・MF小中優樹(3年)のシュートを左へ跳んではじき出すと勝てば3回戦突破の決まる4人目、DF芦田成利(3年)のシュートも右へと跳んでストップ。“クールな仕事人”は駆け寄ってくる先輩たちに身体全体で祝福されていた。

 樋口士郎監督が「物怖じせずに堂々としている。大会前はどん底だったけど、やる時はやる」と評する1年生。クラスでは中村の担任を務めるという指揮官は学校生活を含めて「やることをやらないと信頼されるGKにはなれないぞ」と育ててきた。1年生ながら名門のゴールマウスを守る中村は「先輩達にもいいGKがいる。誇りに思っている」とその定位置を守ることへ高いプライドを持って臨んでいる。

 先輩たちのためにも負けられないという思いは「人生不敗」のPK戦でしっかりと示した。小学校5年生でGKを始めて以来、一度も負けたことがなく、必ず1本はストップしているというPK戦。キッカーの目線や助走の取り方など見極めてキックの方向を予測して相手を落胆させる。もちろん、セーブ能力の高さも活かされているが、「自信を持っている」というその勝負強さは驚異的だ。

 徳島市立との2回戦でもPKを与えながら得点を許さなかった。8強進出を決めた試合後「当然の仕事」と表情を変えずに任務を全うした1年生守護神。四中工は初戦から2試合で9ゴールを決めている攻撃陣に注目が集まるが、PK戦でも相手に白星を与えない武器がある。 

(取材・文 吉田太郎)

▼関連リンク
【特設】高校選手権2011

TOP