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[選手権]厚かった市船の壁、清水商・風間「悔いはない」

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[1.3 全国高校選手権3回戦 清水商0-3市立船橋 市原]

「思うようにいかないですね」。3度の全国高校サッカー選手権をはじめ、清水商を全国高校総体優勝4回、全日本ユース選手権優勝5回へ導いている名将・大瀧雅良監督は今年3月いっぱいで定年を迎えるため、今回が“最後”の選手権。“ラストイヤー”で00年度以来11年ぶりとなる全国出場を果たし、2勝を挙げたが、この日は主力FW佐野翼(2年)とMF遠藤維也(3年)が故障などでともに欠場するアクシデントに見舞われるなど、本来の力を発揮することができないまま、敗退が決まった。

 2年生GK志村俊樹の好守などで食い下がったものの勝利には届かず。「(教員生活は)38年間楽しかった。選手がどんどん成長していくからうかうかしていられなかった」と振り返った大滝監督は選手たちへ向けて「裏表なく一生懸命やれ」というメッセージを送っていた。

 指揮官のために全国切符をプレゼントしたチームだが、この日は市立船橋の堅守の前に沈黙。元日本代表MF風間八宏氏の二男でU-18日本代表候補のFW風間宏矢主将(3年)はマンマークされる形だったのに加えてボールを持てば市立船橋の青いユニフォームが容赦なく距離をつめてきた。風間はチームの攻撃力が低下した中でも何とか前へ進もうとして決定機を演出する場面もあった。ただ無得点で敗退。「悔いはない」と振り返った背番号8はJリーグではなくドイツ挑戦が濃厚となっている。「勝っていけるプレーヤーは(どんな状況でも)ゴールを取れる選手だと思う。そういう選手になりたい」。常に注目される中で、人間的に大きく成長した3年間。最後の選手権でスーパーFKを決めるなどその才能を印象づけたFWは、新たなステージでもKAZAMAの名を広めるつもりだ。
 
(取材・文 吉田太郎)

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