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[選手権]“準決勝温存”の市立船橋MF杉山が劇的同点弾を演出

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[1.9 全国高校選手権決勝 市立船橋2-1(延長)四日市中央工 国立]
  
 国立でのプレーを待ちわびていた男の右足が劇的な同点ゴールを演出した。0-1の後半ロスタイム、右CKを獲得した市立船橋はMF杉山丈一郎(3年)が「サイズがないのでGK目掛けて蹴った。そこで勝負。一発で取れなくてもセカンドを押し込めればいいと思った」とゴール前に上げたボールはキッカーの思惑通りにゴール前にこぼれ、劇的な同点ゴールとなった。

 チーム屈指の突破力など攻撃のキーマンである杉山だが、腰痛が悪化したことで今大会は先発を外れる試合もあり、憧れの国立競技場で行われた準決勝はコンディション面などを考慮されて出番なし。だが「準決勝は出たかったけれど出られなかった。でも決勝はスタートから出してもらえると」願っていた決勝では、「爆発して欲しい」という朝岡隆蔵監督の期待とともに先発が回ってきた。痛み止めを服用して臨んだ決勝では守備に不安があることもあって、守備意識を高く持っていた前半は攻撃面で貢献することができなかったが、後半は思い切ったドリブル突破やシュートでチームを牽引。延長後半3分までのプレーで力を出し切った。

 四日市中央工の國吉祐介主将(3年)は所属クラブこそ違ったが小中学校時代の同級生。國吉が出場停止だったため直接対決することはできなかったが、試合後には「ありがとう」と握手した。「自分たちはチームが一つになっていた。Bチーム含めて団結力の勝利」と優勝を喜んだ杉山。地元船橋のヴィヴァイオ船橋出身で憧れのユニフォームを着て国立で日本一に立った。優勝の瞬間をピッチで迎えることはできなかったが「90分間やったんで悔いはない」と胸を張った。

(取材・文 吉田太郎)

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