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[選手権]「自分がチャンスをつくってやろうと」右SB米塚がリスク恐れずサイド攻略

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[1.9 全国高校選手権決勝 市立船橋 2-1(延長)四日市中央工 国立]

 リスクを恐れず、果敢に攻め上がった。市立船橋(千葉)の右SB米塚雅浩(3年)が積極的なオーバーラップで攻撃に厚みを加え、四日市中央工(三重)を押し込んだ。

 朝岡隆蔵監督からは「相手の2トップは速いから、ここぞというときに上がれ」と指示を受け、前半は守備を意識して入ったが、0-1で後半に折り返すと、「攻撃が持ち味」と言う元FWが“ブレーキ”を外すように右サイドを駆け上がった。

「自分の判断で行けると思った。1点負けていたし、自分がチャンスをつくってやろうと。リスクはあるし、実際に何度か裏は取られたけど、CBを信頼しているし、思い切って上がった」

 後半6分、FW菅野将輝(3年)のスルーパスに走り込んだFW岩渕諒(3年)がゴールライン際でボールをキープし、こぼれ球に飛び込んだ米塚がシュート。至近距離でGKに弾かれたが、同14分にも菅野のスルーパスから米塚が右サイドをえぐり、チャンスを演出した。分厚いサイド攻撃から何度もCKを獲得。ボディブローのように四中工を追い込み、後半ロスタイム、CKからの劇的な同点ゴールにつなげた。

 全国高校総体までは控えだった米塚が先発に定着したのは夏以降。高校3年間の集大成で、最高の結果を勝ち取った。「3年間、本当にきつかった。でも、そういうきつい練習があったから、最後まで足が止まらなかったし、そこが勝てた要因だと思う」。110分間の激闘を走り切った市立船橋。運動量と気持ちで上回った名門が9大会ぶりに全国の頂点に立った。

(取材・文 西山紘平)

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