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[選手権]四中工・樋口監督「出来る限り精一杯のサッカーをしてくれた」

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[1.9 全国高校選手権決勝 市立船橋2-1(延長)四日市中央工 国立]

「四中工としては出来る限り精一杯のサッカーをしてくれた」。後半ロスタイムの失点によって、ほぼ手中に収めていた日本一を逃した四日市中央工の樋口士郎監督だったが、大黒柱のMF國吉祐介主将(3年)を出場停止によって欠く中で延長戦を含む110分間を戦い抜いた選手達を讃えていた。

 國吉の代役として先発したMF生川雄大(3年)が「凄く頑張ってくれた」と指揮官も評する奮闘。特に前半はセカンドボールを次々と拾い、絶妙なサイドチェンジで攻撃を組み立てた。チームは前半1分にFW浅野拓磨(2年)の6試合連続となるゴールで先制すると右サイドではMF寺尾俊祐が鋭い突破を見せ、最終ラインでは西脇崇司(3年)と坂圭祐(2年)の両CB中心に相手の攻撃を跳ね返した。次第に圧力を強めてくる相手に食らいつき、押し込まれて危険なゾーンに入られても必死にクリアし続けていた。だが後半ロスタイム、セットプレーからゴールを破られると、延長戦では攻守の切り替えが遅れた隙を突かれて痛恨の決勝点献上。同校史上初となる単独優勝の夢は来年以降へと持ち越されることとなった。

 ここまで5試合18得点の攻撃力で対戦相手を飲み込んできた四中工。攻撃姿勢は後半ロスタイムに追いつかれて持ち込まれた延長戦でも変わらなかった。今大会はPK戦で2勝。PK戦に絶対的な自信を持つGK中村研吾(1年)がいるだけに、PK戦決着に持ち込めば優勝する可能性も高まったかもしれない。だが指揮官は「延長に入ったときに話したのは(前半のよかった時間帯のように)徹底してつなげと。サイドで起点をつくって厚みをつくろうとした。カウンターから失点してしまったが、守りに入ってPK狙いは考えなかった」。

 来年は得点王・浅野と得点ランキング2位のFW田村翔太(2年)の2トップら先発8人が残る。ただメンバーの多くが残るからといって今年以上の成績を残すことが出来る保障はない。樋口監督は「1、2年生のよさを出すために3年生の守備や心理面の要素があった。技術プラスアルファのベースを上げていかないといけない」。四中工はチーム全体でレベルアップして来年、国立へ帰ってくる。

(取材・文 吉田太郎)

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