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U-17W杯でブラジルからゴールの中島、「ぶっつけ本番」のダメ押し弾

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[3.3 FUJI XEROX SUPER CUP2012 NEXT GENERATION MATCH U-18Jリーグ選抜3-0日本高校選抜 国立]

 ブラジルを追い詰める追撃弾から8か月。U-18Jリーグ選抜のMF中島翔哉(東京Vユース)がダメ押しゴールを決め、試合を決定づけた。0-0の後半開始から途中出場。左サイドに入り、スピードを生かしたドリブル突破で流れを引き寄せると、2-0と2点リードで迎えた後半30分にはMF石毛秀樹(清水ユース)のロングフィードからPA内左に抜け出し、鋭い切り返しから右足でゴールネットに流し込んだ。

「トップチームのキャンプに行って、川勝監督から『ゴール前ではミスをするぐらい落ち着け』と言われた。相手の動き、GKも見えたし、GKの奥にいたもう一人も見えていた。いいゴールだったと思う」

 前日2日に集合し、チームでの練習機会は1回だけだったU-18Jリーグ選抜だが、中島は2日が高校の試験だったため、練習に参加できず、「ぶっつけ本番」のゲームだった。それでも、石毛を含め昨秋のU-17W杯でチームメイトだった選手とは阿吽の呼吸があった。「いい選手がいっぱいいたし、自分の力も出しやすかった。こういうのもいいなと思った」と、あっという間に過ぎ去った35分間のプレーだった。

 自画自賛のダメ押しゴールにも「ボールを失う回数も多かったし、満足はしていない。他にもチャンスがあった」と貪欲に語った中島。その根底には、やはりU-17W杯での悔しさがある。18年ぶりのベスト8入りを果たし、中島自身も準々決勝のブラジル戦(2-3)で0-3から追い上げる追撃ゴールを決めた。それでも「自分はあの大会でチームに貢献できたとは思っていないし、悔しい気持ちの方が強い」と言う。

「最後、ゴールを決めて自信にはなったけど、ブラジルに負けたのは悔しかったし、それが今の自分たちにつながっていると思う。選手は点差以上にブラジルとの差を感じた。だからこそ、帰ってからも満足せずにできているし、運よく勝つよりも、ある意味、負けてよかったと思っている」

 世界大会での悔しさは世界でしか晴らせない。「次はブラジルに勝ちたい」。U-17W杯以降、年代別代表から遠ざかっている中島だが、クラブでの活躍をへて、今秋にAFC U-19選手権を控えるU-19日本代表入り、そして来年のU-20W杯出場を目指していく。

(取材・文 西山紘平)

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