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[アルガルベ杯]なでしこジャパンは8か月ぶり黒星で準V、壮絶な打ち合いもドイツに惜敗

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[3.7 アルガルベ杯決勝 日本3-4ドイツ ファーロ]

 壮絶な打ち合いも、日本は悔しい準優勝……。 アルガルベ杯の決勝が7日に行われた。日本女子代表(なでしこジャパン)は、ドイツW杯準々決勝でも対戦したドイツ代表と対戦。2点を先取されるも、MF川澄奈穂美とDF田中明日菜のゴールで同点に追いつく。後半43分にPKで勝ち越されると、2分後にFW永里優季のゴールで再び同点としたが、直後に決勝点を決められ、3-4で敗れた。なでしこジャパンの黒星は昨年7月5日のドイツW杯グループリーグ・イングランド戦(0-2)以来、約8か月ぶりとなった。

 日本はアメリカ戦(1-0)同様に、MF澤穂希が体調不良でメンバー外となった。それに伴い、これまでは2列目で先発していたMF宮間あやがポジションを1列下げ、ボランチの位置でプレーした。システムは4-4-2を採用。GKは海堀あゆみ、DFラインは右から有吉佐織宇津木瑠美岩清水梓鮫島彩。ダブルボランチを宮間あや阪口夢穂が務め、2列目は右に大野忍、左に川澄が入った。2トップはアメリカ戦と同じく、安藤梢と永里が組んだ。

 互いに慎重な立ち上がりとなる。フィジカルを活かし、前へ攻めてくるドイツに対して、日本はドリブルやショートパスを狙った攻撃で崩しにかかる。しかし、永里と大野の2トップに2列目には大野と川澄が控える攻撃的な布陣をとったものの、ゴールを奪うことはできない。セットプレーからチャンスを迎えるもシュートまで持ち込めずに時間は過ぎた。

 すると前半20分、サイドを押し込まれると先制点を奪われる。大きくサイドチェンジされると、左サイドを押し込まれる。鮫島が対応するもベーリンガーにクロスを許す。マロジャンにニアサイドに飛び込まれると、宇津木の前へ入られ、右足ダイレクトでシュート。日本は失点を喫してしまった。さらに2分後、マロジャンの左CKからファーサイドのオコイノダムバビがヘディングシュート。岩清水が競り合うも、防ぐことはできず。シュートを叩き込まれ、0-2に突き放された。2点を先取される苦しい展開となってしまう。

 なんとか1点を返したい日本は、中盤から前線へボールをつなぎ、チャンスをうかがう。前半33分にはドリブルで仕掛けた永里が前へ抜け出した大野へスルーパスを狙うが、ボールは合わず。GKに止められた。しかし前半35分、安藤が中央からドリブル突破。左サイドの川澄へパスを送ると、フリーで受けた川澄がPA内へドリブルで持ち込み、DFをかわすとGKの位置を見て、切り返しから右足シュート。冷静に放ったシュートはゴール右へ吸い込まれた。日本が1点を返し、1-2で前半を折り返した。

 後半立ち上がりから日本は3選手を交代。岩清水、鮫島、安藤に代えて、熊谷紗希近賀ゆかり田中明日菜をピッチへ送った。これに伴い、近賀が右SBを務め、有吉が逆サイドの左SBへ。中盤では田中と阪口がダブルボランチを組み、宮間が1列上げ、左サイドへ入った。川澄と永里が2トップを組んだ。

 その後は日本が果敢に攻め込む。すると後半10分、カウンターから狙った川澄のシュートがクリアされ、左CKを獲得する。この左CKから同点弾が生まれた。宮間がショートコーナへつなぎ、これを受けた川澄が左サイド、ゴールライン際からドリブル突破。マイナスの折り返しを永里が左足ダイレクトでシュート性のボールを蹴りこむ。ファーサイドへ走り込んだ田中がスライディングシュート。ゴールネットへ押し込み、日本が2-2に追いついた。

 その後はドイツの猛攻を受けるが熊谷や近賀があと一歩のところで身体を張ってクリア。スコアは動かず、PK戦に突入するかと思われた。しかし、試合は終了間際に壮絶な展開を迎える。後半44分、スルーパスを通されるとDFシュミットにPA内へ抜け出されてしまう。これを有吉が倒してしまい、PKを献上。オコイノダムバビのシュートを海堀がコースを読むも、止めることはできず。2-3に再び勝ち越しを許した。失点直後に日本ベンチは動く。田中に代えて、アメリカ戦で決勝点を決めたFW高瀬愛実を投入した。

 すると諦めずに攻め込むなでしこに、ゴールが生まれる。宮間が前線へロングボール。オーバーラップした近賀と高瀬がワンツーで攻め込む。近賀が川澄へパスをつなぐと、最後は高瀬が浮き球のクロス。飛び出したGKがこぼしたところに永里が詰めて、シュートを押し込む。土壇場で日本が追いつき、3-3に持ち込んだ。

 しかしゴールからわずか1分後、ロングボールにオコイノダムバビに抜け出されてしまう。GK海堀が前へ飛び出すも、オコイノダムバビがボールを浮かして海堀をかわし、ボレーシュート。オコイノダムバビのハットトリック達成弾で3-4と勝ち越された。

 終了間際のロスタイム2分、日本は大野に代えて、MF木龍七瀬をピッチへ送るも、試合はそのまま終了。最後の最後で競り負けたなでしこジャパンは、W杯グループリーグのイングランド戦(0-2)以来、246日ぶりの黒星を喫し、準優勝で大会を終えた。

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