[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.26 横浜FMカップU-17大会 柏U-18 4-0前橋育英高 小机]

　4-0で快勝した柏レイソルU-18だったが、後半に2度失点の危機があった。24分にはスルーパスから前橋育英FW外山凌に抜け出され、37分には再びスルーパスからFW小口大司にPAへ侵入された。ともにGKと1対1となる大ピンチ。だが、2度とも相手アタッカーとの距離を詰めたGK中村航輔がストップし、前橋育英に追撃するチャンスを与えなかった。

　中央から2度の決定機をつくったほかにも、精度の高い攻撃をしていた前橋育英は、サイドのスペースを突いてからラストパスまで持ち込んでいた。ただ安定感抜群の守護神はクロスボールに難なく対応。2次攻撃することさえも許さず、相手の反撃を断ち切った。下平隆宏監督も「スーパー。最高品です。人間性もシュートストップも全て揃っている」と絶賛する中村。昨年のU-17W杯で日本の8強進出の立て役者となり、現在U-19日本代表候補に名を連ねる世代ナンバー1守護神は、今年対戦するライバルたちを悩まさせそうだ。

　中村は「(2度の1対1セーブは)どこにボールが来るかは予測している。自分の持ち味は出せた。相手の数少ないピンチを止めることは自分の仕事だと思っています」と納得の表情。「先輩達を見習って追い越していかないといけない」と誓う中村が今年、ユース世代で結果を残し続けてトップチームのGK争いに食い込む。

(取材・文　吉田太郎)