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1得点1アシストの宮間が3発演出、なでしこがブラジルに4-1完勝で優勝飾る

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[4.5 キリンチャレンジ杯 日本4-1ブラジル ホームズ]

 キリンチャレンジ杯は5日、ホームズスタジアム神戸で第3戦を行い、日本女子代表(なでしこジャパン)がブラジル女子代表と対戦した。日本は前半16分にMF宮間あやのFKがオウンゴールを誘って先制すると、前半ロスタイムに直接FKを決められ、同点に追いつかれたが、後半13分に宮間のCKからFW永里優季が勝ち越しヘッド。さらに同16分に宮間、同44分に途中出場のFW菅澤優衣香が追加点を挙げ、4-1で快勝した。1勝1分となった日本は勝ち点、得失点差でアメリカと並んだが、総得点(日本5、アメリカ4)で上回り、優勝を飾った。

 日本は1日のアメリカ戦(1-1)から先発3人を変更。GKがGK海堀あゆみからGK福元美穂に代わり、ボランチではMF阪口夢穂に代わってDF宇津木瑠美が先発し、DF田中明日菜とダブルボランチを組んだ。前線では永里に代わりFW安藤梢が先発した。
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 試合は静かな立ち上がりを見せた。日本は前半3分、MF川澄奈穂美が積極的にミドルシュートを狙うが、GKの正面。前線からのプレッシャーがはまり、ブラジルのパス回しを封じる日本が試合の主導権を握り、ゲームを進めた。

 すると前半16分、左サイドのハーフウェーラインを少し越えた位置からのFK。MF宮間あやが右足でゴール前に放り込むと、DFアリニが頭でクリアしようとしたボールがさらにDFダイアニの頭に当たってゴールイン。日本がラッキーなオウンゴールで先制に成功した。

 中盤で宇津木がサイドにパスを散らしながら攻撃を組み立てる日本。前半24分、30分と立て続けに宇津木が左サイドをオーバーラップしたDF鮫島彩にスルーパスを通し、チャンスを演出する。同32分には宮間の縦パスを受けた川澄がDFをかわして右足ミドル。惜しい場面だったが、シュートはゴール上に浮いた。

 前半38分、安藤に代えて永里を投入し、前線のキープ力を強化した日本はピンチらしいピンチもなかったが、終了間際の前半45分、自陣で田中がボールをMFフランシエリに奪われると、たまらず後方からスライディングタックル。これがファウルを取られ、FKを与えてしまった。左45度の絶好の位置でのFK。ブラジルはフランシエリが右足で直接ゴール右隅に流し込み、1-1に追いついて前半を終えた。

 日本は後半開始から田中に代えてFW菅澤優衣香を投入。菅澤は永里と2トップを組み、川澄が中盤の左サイド、宮間がボランチにそれぞれポジションを変えた。後半3分、DF近賀ゆかりの右クロスを永里が競り合い、こぼれ球をFW大野忍が右足でシュート。これはGKの好守に阻まれたが、その後も日本ペースで試合は進んだ。

 そして後半13分、右CKのチャンスに宮間が左足でゴール前にクロスを上げると、ニアサイドに走り込んだ永里がピンポイントで合わせるヘディングシュート。これがきれいに決まり、なでしこが再びセットプレーからリードを奪った。さらに同16分、川澄のスルーパスから左サイドを抜け出した菅澤のマイナスの折り返しを永里が反転しながら右足でシュート。GKが前に弾いたボールを宮間が左足で蹴り込み、3-1と突き放した。

 日本は後半27分、大野に代えて代表デビューとなるMF上辻佑実を投入。同時にDF熊谷紗希に代わってDF長船加奈がピッチに入り、10年2月11日の東アジア選手権・台湾戦(3-0)以来の代表戦出場を果たした。

 メンバーを入れ替えた影響もあったか、徐々に攻勢を強めるブラジルの反撃を受ける。後半31分にはアリニの右クロスから長船に競り勝ったフランシエリがヘディングシュートを放つが、わずかにゴール左へ。同38分にはMFエリカが浮き球を胸トラップから左足ボレーで狙ったが、ここはGK福元がビッグセーブを見せ、ゴールを守った。

 後半39分には宇津木に代えてFW高瀬愛実をボランチに投入した日本は同44分、右サイドを駆け上がった近賀の折り返しに菅澤が右足のスライディングシュートで合わせ、4-1とダメを押す。菅澤の国際Aマッチ2得点目が決まり、得失点差でアメリカと並んだ日本は総得点で上回り、優勝に大きく近づいた。

 直後に上辻を下げ、10年11月14日のアジア競技大会・タイ戦(4-0)以来の出場となるMF中野真奈美を投入し、交代枠6枚を使い切ったなでしこはそのまま4-1で逃げ切り、ブラジルを一蹴。アメリカ、ブラジルという世界屈指の強豪が集結したキリンチャレンジ杯のタイトルを獲得した。

(取材・文 西山紘平)

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