beacon

「この勝ち点1はこれからも自信になる」90分間走り続けた松本が格上から勝ち点1奪取

このエントリーをはてなブックマークに追加
[4.30 J2第11節 松本0-0京都 松本]

 J2第11節、3連勝中の松本山雅FCがホームに京都サンガF.C.を迎え撃った一戦は0-0で引き分けた。今季からJ2に参戦している松本は、これで4試合連続負けなし。一方の京都は3戦連続未勝利となった。

 開幕7戦1勝と苦戦した序盤戦からここへ来て3連勝と波に乗っている松本。12,000人を越える観衆が集まったこの日のホームゲームでも自分たちの真骨頂であるしつこく、粘り強い守りでJ1昇格候補の京都に食い下がった。

 前半を終えてのシュート数は松本の8-4。立ち上がりこそ右サイドのFW宮吉拓実からのラストパスを受けたMF中山博貴の左足シュートや宮吉の左足ミドルなど京都が相手ゴールへ迫るが、松本はホームの大歓声の中、攻守の切り替えの速いカウンター攻撃から敵陣へなだれ込んでいく。セカンドボールの攻防戦でも健闘した松本は右MF玉林睦実、左MF鐡戸裕史の両ワイドらが長い距離を一気に駆け上がると、21分には玉林の折り返しを受けたFW塩沢勝吾の左足シュートがゴールを捉え、39分にも25日に元日本女子代表で現東京国際大学女子サッカー部監督の大竹七未さんと婚約を発表したばかりのMF弦巻健人が右サイドからのラストパスに反応して右足シュートを放つなど、京都ゴールを襲い続けた。

 京都はハーフタイム、大木武監督から「あと45分、まだまだできるはずだ!」とゲキを受けるが、相手の堅い守りの前になかなか主導権を握ることができない。宮吉がハーフウェーライン付近から約40mのドリブル突破を見せる場面もあったものの、決定機をつくるまでには至らず。26分にFW久保裕也を投入したのをはじめ、MF伊藤優汰、FW長沢駿とアタッカーを次々とピッチへ送り出したチームは終盤、ロングボールからパワープレーを繰り出してゴールを強引に奪いにいったが最後までゴールが遠かった。

 松本は試合後に反町康治監督が「(自分たちは)相手より多く走らなきゃいけませんから。気持ちの入ったいいプレーをしてくれたと思います」と評価した全力プレーで対抗。「前の方のタレントはJ1クラス」(反町監督)という京都の攻撃陣に仕事をさせない。後半31分にFW船山貴之のラストパスから弦巻の放った右足シュートはゴール左へ外れ、交代出場のMF楠瀬章仁のミドルシュートがクロスバー上方へ外れるなど1点を奪うことはできなかった。それでも指揮官は「この勝ち点1はこれからも自信になる」。90分間ハードワークを貫いた試合終了後、体力を使い果たしてその場から動けなくなるほど走り続けた松本が格上から勝ち点1をもぎ取った。

TOP