[5.3 J1第9節 清水3-0鹿島 アウスタ]

　清水エスパルスが若き3トップのそろい踏みとなるゴールで鹿島アントラーズに3-0で快勝した。ホームでは今季公式戦5戦5勝の清水と、公式戦4連勝中の鹿島。好調なチーム同士の一戦は清水が前半5分にFW伊藤翔の今季初ゴールで先制すると、後半にFW高木俊幸、FW大前元紀が加点した。清水はこれで今季ホームゲーム公式戦6連勝。一方、鹿島の公式戦連勝は4でストップした。

　FWアレックスとFWジミー・フランサを出場停止で欠く清水はFW伊藤翔が3トップの中央で先発。前節・F東京戦(1-0)で伊藤が務めた左FWには高木が入り、アレックスの抜けた中盤ではMF河井陽介が2試合ぶりに先発した。

　試合はいきなり動いた。前半5分、河井が右サイドに展開すると、DF吉田豊がグラウンダーのクロス。戻りながらの守備となったDF岩政大樹のクリアはGK方向に飛び、GK曽ヶ端準が何とか弾いたボールに伊藤が詰めて押し込んだ。

　鹿島は前半11分、MF遠藤康の右後方からのFKのセカンドボールをMF小笠原満男がエリア外から左足ダイレクトで狙ったが、ゴール上へ外れる。結局、鹿島の前半のシュートはこの1本のみ。ホームの清水が主導権を握り、前半を1点リードで折り返した。

　後半も清水ペースは変わらない。追加点を狙って果敢に攻め込み、後半8分には河井が左サイドから折り返したボールを高木がシュート。しかし、これは惜しくもクロスバーに弾かれた。

　なかなかリズムをつかめない鹿島は後半15分、FW大迫勇也とMFドゥトラに代えてFW岡本英也とMF青木剛を投入。ダイヤモンド型の中盤から小笠原と青木のダブルボランチにシステムを変更した。

　すると徐々に鹿島が流れを引き寄せていく。後半19分、MF柴崎岳が約30mの距離から思い切りよくロングシュートを狙うと、目の前でワンバウンドしたボールをGK林彰洋がファンブル。同22分にも高い位置でボールを奪った柴崎からのパスを受けた遠藤が左足でゴールを狙った。

　しかし、次の1点を奪ったのは清水。後半27分、伊藤からのパスを受けた高木が左サイドから中に切れ込み、右足を振り抜く。ゴール右隅に流し込む鮮やかな一撃で2-0と突き放した。苦しい時間帯に飛び出した高木の2戦連発今季5点目。さらに同30分、高木の左後方からのアーリークロスに逆サイドから走り込んだ大前が右足ダイレクトで蹴り込み、3-0と試合を決定づけた。

　2連勝で6勝3敗の勝ち点18とした清水は首位・仙台と勝ち点5差の2位に浮上。ホーム4戦連発となった高木は「やっぱりアウスタは最高ですね」と笑みを見せると、「順位も上がってきて、これでいい位置にいける。ここでの勝利は大きいと思う」と好調なチームに手応えを口にし、次節6日の仙台戦に向け「このまま仙台をぶち負かしましょう」と、満員のサポーターに勝利を誓っていた。