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マルキーニョスが劇的決勝弾!! 横浜FMが浦和を下し、連勝を飾る

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[5.3 J1第9節 浦和1-2横浜FM 埼玉]

 J1は3日、第9節の浦和レッズ横浜F・マリノスの一戦が行なわれた。前節で名古屋に2-1で勝利した浦和は、3位と好調。対する横浜FMはようやく前節の神戸戦(3-1)で今季初勝利を挙げていた。前半に横浜FMが先制し、その後も老獪な試合運びを見せる。うまく時間を使っていた横浜FMだが、後半33分にDF槙野智章の移籍後初ゴールで浦和が同点に追いつく。しかし、試合終了間際の後半43分、今季初出場したFWマルキーニョスがMF中村俊輔のCKからヘディングを叩き込み、2-1と再びリードする。試合終了まで続いた浦和の猛攻に耐えた横浜FMが、連勝を飾った。

 前節の名古屋戦と同じメンバーで臨んだ浦和。対する横浜FMも、変更は一カ所のみ。MF富澤清太郎の出場停止を受け、前節、前々節(磐田戦0-1)で途中出場していた18歳のMF熊谷アンドリューをボランチとしてスタメンに抜擢した。

 前半9分にはCKから浦和が決定機をつかむ。MFマルシオ・リシャルデスの入れたボールを、ゴール前でDF槙野智章が完全にフリーになってヘディングシュートを放ったが、ボールを枠に飛ばすことができず、決定機を逃した。

 逆に12分、CKから横浜FMが先制点を挙げる。MF中村俊輔がCKからDF中澤佑二を狙う。中澤の前でDFがクリアーしたが、そのこぼれ球を拾ったMF齋藤学がコースを狙ってシュート。ゴール前の混戦がGK加藤順大の死角をつくり、加藤は反応できず。ボールはゴールに決まった。

 後方からゆっくりとボールをつなぐ浦和は、高い位置でファウルを受けてセットプレーのチャンスを得る。18分にはマルシオ・リシャルデスがFKからゴールを狙ったが、ボールはわずかに左へ外れて行った。同21分にも浦和はFKを獲得すると、再びマルシオ・リシャルデスが狙ったが、ボールは右上に外れて行った。

 同27分には左サイドから齊藤が突破を見せて、ゴール中央に侵入していく。FW大黒将志に折り返したが、ボールはDFが掻き出す。そのこぼれ球を拾ったDF小林祐三がシュートを狙ったが、DFにブロックされた。

 時間の経過とともに、徐々に横浜FMがボールを回し始める。1点ビハインドの浦和も決して無理にはボールを奪いに行かず、試合はやや膠着した。そんな流れの中、前半34分、左サイドを槙野が突破。クロスを入れるとゴール前でFWポポが頭で合わせたが、シュートは上に外れて行った。前半37分に浦和は横浜FM守備陣に圧力をかける。高い位置でボールを奪ったポポが浮き球を出したが、マルシオ・リシャルデスの頭上を越えて、チャンスを広げられなかった。

 同40分にはボールを奪った浦和が速攻に出ようとしたが、マルシオ・リシャルデスにボールが入った瞬間に横浜FMの選手たちが一気に体を寄せて、ボールを奪い返した。前半終了間際にも左サイドの深い位置で、FKを得た浦和はマルシオ・リシャルデスがシュートを放つが、GKがセーブした。

 前半ロスタイムには左サイドから齊藤がクロスを上げる。最終ラインの背後にFW小野裕二が飛び込んでいたが、その前にいた大黒が合わせてしまい、ボールはゴールを越えて行った。結局、このまま試合は横浜FMが1-0とリードして前半を折り返す。

 後半の開始から浦和は柏木陽介を下げて、MF原口元気をピッチに送り出した。後半開始早々、浦和はMF鈴木啓太がミドルシュートを放つ。しかし、なかなか横浜FMの守備を崩せず、逆に速攻からピンチを迎える。同7分には大黒が抜け出してシュートを打つ。DFがブロックしてコースが変わったが、GK加藤が落ち着いてキャッチした。

 後半9分、浦和は鈴木を下げてMF小島秀仁がピッチに入る。浦和の選手たちはボールを失ってからもボールを奪いに行かず、まず帰陣する。そのため、1点リードする横浜FMはボールをゆっくり回すことが可能になり、一度帰陣した浦和の選手がボールを奪いにくると、そこに生じたスペースから効率良く攻め込むことができていた。

 それでも後半19分に浦和がFKを得ると、マルシオ・リシャルデスが狙ったが、ボールは壁に当たった。その直後、横浜FMがカウンターからチャンスを得る。右サイドから小野が入れたクロスをDFがクリアーしたところを、MF兵藤慎剛が狙ったが、GK加藤が好セーブを見せる。

 後半26分、浦和はDF坪井慶介を下げて、FWデスポトビッチを起用し、交代枠を使い切った。横浜FMも同27分に大黒を下げて、今季初出場となる36歳のFWマルキーニョスをピッチに送り出した。同29分には左サイドから齊藤がPA内に侵入し、シュートを放ったが、GKに防がれる。このプレーで齊藤は左足をつらせてしまう。一度はピッチ外に出たが、すぐに戻った。

 その直後の後半33分だった。前線で人数をかける浦和は、MF梅﨑司のキープから、槙野がボールを受け、PA内に侵入する。DFの寄せが遅くなったところを、右足でシュートを決めて、1-1と試合を振り出しに戻した。同37分にも浦和は、デスポトビッチが最終ラインの裏でボールを受けて、シュートを放ったが、ボールは右に外れて行った。

 横浜FMも同39分、右サイドで小野が起点をつくり、前線に飛び出したMF谷口博之にパス。谷口のシュートは戻ってきたマルシオ・リシャルデスがブロックした。同42分、横浜FMは中村が直接FKからゴールを狙ったが、ゴールの右に外れた。その直後にも、マルキーニョスがミドルシュートを狙ったが、GKがパンチングで弾き出す。そこからのCKだった。中村がファーサイドに蹴ったボールを、マルキーニョスがヘッドで合わせて、今季初出場でゴールを挙げ、再び横浜FMが2-1とリードを広げた。

 ロスタイムに入り、浦和は同点ゴールを目指して攻め続ける。ロスタイムに横浜FMは中村を下げて、DF金井貢史をピッチに入れて守備を固めた。このまま横浜FMが逃げ切り、前節の神戸戦に続き連勝した。

 今季初出場で決勝点を挙げたマルキーニョスは「しばらくケガで離れていたのですが、復帰できてゴールできたことは嬉しいです。大好きなサッカーをできるだけ早くやりたいという思いでいっぱいで、何とかチームの力になりたいと思って、この試合に臨んでいました」と、ゴールを挙げた喜び、そしてピッチに戻った喜びを口にした。今季は大きく出遅れた横浜FMだが、頼れるブラジル人ストライカーも戻り、ここからの巻き返しに期待できそうな一戦だった。

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